第4節までの総括 関西学生リーグは現在、第4節まで終了している。第4節で関大が昨年の王者、立命に29年ぶりの歴史的勝利を挙げて全勝をキープ。関大に敗北を喫した立命、関学が3勝1敗で次に続く。また昨年、3位の神戸大や4位の京大も苦戦を強いられている。神戸大は同志社に敗北、甲南大に引き分けるなどで1勝2敗1分。京大は同志社、甲南大に敗北するなどで1勝3敗と苦戦が続く。 昨年までの立命、関学の「2強」構造は崩れ、下位争いでも混迷を極めている。61年ぶりの甲子園出場に大きく前進した関大はこのまま「聖地」に足を踏み入れることができるのか。また、リーグ終盤に行われる立命と関学の対決、勢いを見せる同志社、甲南大の台頭にも注目したい。 待ちに待った第1節は波乱の幕明けだった。関大が56-13の圧勝で京大を撃破。関大のRB藤森や松森などがTDを量産し、相手のディフェンスを翻弄。その強さを初戦から見せつけた。神戸大-甲南大は甲南大が試合終了残り3秒で神戸大に追いつき、23-23で引き分けた。また、立命は同志社に、関学は近大に快勝し、好調なスタートを切った。 第2節。関大が12-0で神戸大に白星を挙げて2勝目を飾る。攻撃の鍵を握るRB陣は京大戦ほどの活躍を見せることができなかったが、強靭なディフェンス陣が神戸大の攻撃を完封した。立命は昨年から主力を務めるRB橋本、高野橋のほか、東松ら2年生RB陣の活躍が光り、近大を倒して快調な2勝目を挙げた。 初戦で出鼻を挫かれた京大は甲南大と対決。甲南大に逆転勝ちを許し、手痛い開幕2連敗となった。関学は同志社戦でエースQB加藤ではなく、QB浅海が先発してパス、ラン共にそつなく攻めて結果を残した。 続く第3節。初戦から波に乗った関大が強豪・関学と対決。春の定期戦では関大が惜しくも1点差で敗北した同カード。シーソーゲームを制したのは関大だった。第4Q、逆転TDを決め、17-13で2003年以来6年ぶりの勝利を収めた。 一方、立命は甲南大に61-10で圧勝。早くも第4節でリーグの山場とも言える全勝対決の関大-立命が実現することになった。また神戸大は初戦からの悪い流れを断ち切ることはできずに、昨年リーグ最下位の同志社に今季最多失点となる14-34で敗北し、今季初勝利を挙げることはできなかった。一方で京大はQB桐原からWR中村のホットラインで、TDを量産。52点差をつけ、今季初勝利を収めた。 全勝同士の関大-立命が目玉となった第4節。関学戦で本物の強さをみせた関大と昨年王者・立命の対決は、多くの観客数が見込まれるためにエキスポフラッシュフィールドから急遽、京セラドームに試合会場を変更しての決戦となった。 関大は前半から、攻めの姿勢で立命を圧倒。守備も立命の豊富なRB陣にダウン更新を許さない。第2Qに先制点を挙げた関大は、一時追いつかれるも第3Qに勝ち越しのTD。29年ぶりに立命を撃破し、61年ぶりの甲子園出場に大きく前進した。 また、関学は甲南大に55-21で勝利して3勝1敗。関学と立命が並ぶ形となった。京大-同志社では、京大はエースWR中村が負傷し、なかなかパスでゲインができない。苦戦を強いられた京大は3-10で敗れ、1勝3敗と厳しい結果となっている。神戸大-近大では神戸大が完封で今季初勝利を挙げた。 大混戦となった今季。強豪立命、関学を倒した関大はリーグ残り3試合と西日本代表決定戦を勝ち抜き、甲子園ボウル史の歴史を塗り替えられるか。また、入替戦に挑む2チームはどこなのか。今季の関西学生アメフトリーグは一味違う。記事/大喜多理沙(UNN関西学生報道連盟)撮影/近森裕加(UNN関西学生報道連盟)編集/畠中隆好(Office NEAR)