甲子園ボウル出場をかけ、東日本代表校決定戦と銘打って開催された今季のクラッシュボウル。決勝戦のカードは前年度関東王者の法政大学トマホークス（Ａブロック優勝）と、強豪・日本大学を破ってBブロックを制した早稲田大学ビッグベアーズ。 攻守にタレントをそろえる法政大に対して、試合巧者の早稲田がどのようにして挑むかに注目が集まったこの試合だが、序盤からＴＤを刻み、終始法政大が試合をコントロールすることに成功。38－11のスコアで危なげなく甲子園ボウルへの切符をつかんだ。 早稲田のリターンで試合開始。ＤＢ#33坂梨の好リターンでフィールド中央まで進めることに成功した。早稲田は最初のシリーズでＲＢ#30末吉の中央へのラン中心のプレーを選択。しかし法政大ＤＬの厚い壁とＬＢの鋭い出足に阻まれフレッシュ失敗に終わる。 「最初早稲田のシリーズできっちり末吉君抑えられたのが大きかった」という法政大・青木監督の言葉通り、これで流れをつかんだ法政大は、続く攻撃シリーズでＱＢ#4山口からのパスをキャッチしたＷＲ#81栗原がロングゲインに成功。エースＲＢ#29原のオープンへのランで先制ＴＤを奪う（ＴＦＰキック成功）。 さらに法政大は次の早稲田の攻撃シリーズも３ｒｄ＆アウトに抑え込む。するとまたしてもＷＲ#81栗原が縦に走り、早稲田大ＤＢ陣との競り合いを制し、ビッグプレーを決めると、今度もＲＢ#29原が外を６ヤード駆け抜け、追加点のＴＤランを成功させる。（ＴＦＰキック成功、法政14－０早稲田）。 序盤の連続得点でモメンタムを掴んだ法政大。しかし１Q中盤にＱＢ#4山口のファンブルで攻撃を失い、早稲田に反撃の糸口を与えてしまう。ここでなんとかＴＤを決めたい早稲田は、ＲＢ末吉がラテラルパスを受け取り、そのまま一気にエンドゾーンへ到達。だがこのプレーは早稲田の反則により無効となってしまう。 法政大攻撃は、早稲田大守備の素早い出足を逆手にとり、スローバックスクリーンなどで逆に早稲田守備を振り回し、ボールを支配しながら試合の主導権を握り続ける。早稲田もなんとか攻撃でリズムをとろうとするも、大黒柱のＲＢ#30末吉が、２Q早々に負傷退場というアクシデントもあり、なかなか思うようにゲインができない。 さらに早稲田は、レシーブミスから自陣エンドゾーン前で痛恨のファンブル、ターンオーバーとなる。このチャンスに法政大は、さらに追加点となるＲＢ#99楠原のTDランを決め（ＴＦＰキック成功）、21－０の大差で前半を折り返す。 これ以上の失点を防ぎたい早稲田は、ＬＢＬＢ#50原のＱＢサックなどで３Ｑ最初の法政大攻撃をパントへ追い込む。 ここで得たチャンスを早稲田は復活したＲＢ#30末吉のラン中心のプレーで法政大陣内へ攻め込み、最後はK#42小林の45ヤードＦＧで待望の得点を決めた。 しかしここから法政大攻撃が再び爆発力を発揮する。ＲＢ#29原が独特のステップで早稲田守備をすり抜ければ、ＷＲ#81栗原もマッチアップした早稲田ＤＢを振り切り、ロングゲインを決め、大型ＲＢ#99楠原のTDランで、再び早稲田を突き放す。（ＴＦＰキック成功、法政大28－３早稲田） ４Qへ入っても法政大攻撃の勢いは止まらない。山口と併用で起用されているＱＢ#18高島が自身のランでゲインを奪うと、４分29秒にはK#97丸田の27ヤードＦＧにつなげ、得点を重ねる。さらにＱＢ#18高島からＷＲ#19松永へのＴＤパスで、さらなる追加点を積み重ねていった。 早稲田も積極的なギャンブル攻勢で反撃を試みるが、４Ｑ10分44秒にＱＢ#5芳賀からＷＲ#80瀧へＴＤパスを成功させるにとどまり、結局38－11で法政大が早稲田から勝利をもぎ取った。 要所で良いプレーをしていた早稲田だが、「勝負所での反則やミスが痛かった」と、早稲田の朝倉監督。日本大戦とはうって変わって、大事な場面でミスが連発してしまった。 一方、細かい部分でのミスはあったものの、勝負所で大きなミスをせず、堂々と普段通りのフットボールができた法政大。王者の風格を備えた法政大が、東日本代表として甲子園ボウルへの切符をつかみ取った。記事；早坂茂（スポーツ法政ＯＢ）写真；スポーツ法政新聞会 http://blog.nikkansports.com/user/hosei/ 編集；畠中隆好（officeNEAR）
