「 西日本代表校 準決勝 」11月23日(月)13時00分 キックオフ 四日市ドーム(三重県)名城大学 GOLDEN LIONS ( 東海北陸学生リーグ代表校 )VS愛媛大学BOMBERS ( 中四国九州学生リーグ代表校 ) 四日市ドームのグランドは、人工芝の上に砂があるタイプであり、愛媛大は初めての感触であった為、試合開始前より入念に準備をしていた姿が印象的であった。そして、このコンディションの不慣れさが試合展開にも影響してゆきます。試合は、名城大#29酒井がキッカーとして登場し、このグランドの特性を生かすことを目的としたと思えるスクイブキックから始まった。愛媛大1STドライブは中央のランプレイ、そして、ショートパスと小さくゲインを刻んで行くもののFDには至らず、パント。一方名城大1STドライブは、ショットガン体型からRB#29にハンドオフ、オープンから簡単にFDを奪い、2プレイ目にはPRO-I体型より同じくRB#29が 中央ダイブからなんと72ヤードを独走し、TDとする。続く愛媛大2NDドライブでは、1プレイ目にボールをファンブル。名城大DE#59吉川がこのボールをピックアップし、そのまま25ヤード先のエンドゾーンに走りこみ、TDとした。試合開始わずか2分足らずで、2本を奪われた愛媛大ではあるが、平常心を取り戻しながら、3回目と6回目ドライブでは、スコアリングゾーン近くまで入り、失敗にはなったもの共にショートヤードでの4thギャンブルまでボールコントロールを行った。平常心を取り戻そうとする愛媛大の前に、今シーズン注目の名城大#29がFGを成功させ、また、前半終了近くでは、この日2回目のビッグプレイで、70ヤードを走りきり、この時点で30-0と名城大が大きくリードし、前半最後の愛媛大は果敢に攻めるものの得点差変わらずで終了。 後半は、何とかしたいと勢いよく戦いに挑む愛媛大DEFに対し、名城大は後半最初のドライブに4分14秒という時間をかけ、最後はRB#97鈴木が1ヤードをランにて力ずくでのTD。その後の愛媛大は攻撃も果敢にパスを投じるもの、2シリーズ続けて、名城大DB網にかかり、インターセプトを許し、かつ2本目のインターセプトでは名城大LB#10太田に45ヤードのリターンTDまでを奪われた。試合自体は、メンバー構成を変化させてゆく名城大に対して、最後まで得点を目指す愛媛大と展開となり、最終スコアは、44-0という結果となった。 私自身、平和台ボウルで愛媛大の戦いを観戦し、その時の印象はサイズ的にあまり大きくない点をチームワークでカバーし、相手のミスを待つという戦略を得てとし、体力勝負は難しいと思っていた。また、この日ように体力的差の上に、試合の始めに自らミスを犯してしまうと、様々な修正が効かなくなり、結果的には、彼らの目指すフットボールから離れたものになったように思える。 一方、名城大に関しても、私自身、東海学生リーグ戦決勝の中京大戦そして、トーナメント1回戦の金沢大戦と見てきて、当然ながら#29酒井の走力も印象的ではあるのですが、チームが一試合毎に、謙虚なる自信を持ち、より真剣にフットボールに取組んでいるように思える。体格やプレイの質は、甲子園出場チームに相応しいかどうかはまだ分からないものの、少なくとも関西学生リーグの入替戦に臨んでいた昨年とは違い、「覚悟」をしているチームに感じられ、その覚悟は関西の覇者である関西大の持つものと同じではないかと考えさせられるチームになったと思えます。 いづれにしても今年のカレッジフットボールには絶対は存在せず、今成すべき事にベストを尽くせるチームのみが一つ階段を上る権利を得る、29日は東西共に楽しみな一日です!http://www.tkcafa.jp/ 統計は東海学生リーグHPをご覧下さい。
記事; 甲子園BOWL PJT 阿倉 智明(関西学生アメリカンフットボール連盟 常任理事)
写真; (上から)・名城大応援団前にはおなじみとなったFIGHT ON LIONSのバナー ・試合終了後、NHKを含め、記者に囲まれる名城大学 槇野監督・東海地区のトーナメント会場では入口定位置のバルーン・試合終了後、記者に囲まれる愛媛大 川野主将