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Road to パナソニック電工杯 第64回甲子園ボウル MAINICHI KOSHIEN BOWL 大学「日本一」決定戦!!

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2009.12.19 ニュース

【甲子園ボウルレビュー(関西大編)】関西大が62季ぶりの皇位奪還。圧倒的なラン攻撃で法政大を下す。

 今年から全日本大学選手権となった「パナソニック電工杯第64回毎日甲子園ボウル」。西日本代表には、大方の予想を覆して関西大学カイザースが名乗りをあげた。対するのは甲子園ボウル常連校の法政大。「ロースコアの接戦に持ち込まないとまず勝機はない」(関西大・磯和監督)との戦前評が圧倒的だったが、関西大は圧倒的なランパワーで法政大を攻めたて、終わってみれば両チーム合わせて11本のTD(関西大6/法政大5)が行き交う、50-38のハイスコアリングゲームでの完勝。62季ぶりの完全優勝を成し遂げた。
 甲子園ボウルMVPはQB#14原口、チャックミルズ杯(年間最優秀選手)はRB#1藤森がそれぞれ受賞した。

kandai_1.jpg 法政大のファーストドライブをFGで凌いだ直後の反撃シリーズ。「まだ完全ではなかったが」(関西大・板井ヘッドコーチ)、なんとかこの日に復帰が間に合ったRB#22松森のランを軸に徹底したラン攻撃で、法政大のディフェンスを乱し、TDで逆転した。
 この攻防で硬さのとれた関西大。前半終了間際には、「パターンは10種類ぐらい。考えうる様々な場面を想定したキック練習の成果」(磯和監督)というRB#1藤森のキックオフリターンで78ヤードのラン。ディフェンスを次々にかわし、ゴール前まで持ち込んだ。残り1ヤード、QB#14原口からTE#89青木にTDパスが成功。17-16の1点リードで前半を終えた。

 後半も関西大のランアタックが冴える。第3Q終盤に見せた藤森のランは圧巻だった。84ヤードのキックオフリターンでTDを決め、会場を一気に歓声で沸かせた。「この展開は予想してなかった。チームがしっかりブロックしてくれた」と、謙虚に話すエース藤森。
 法政大にしてみれば、エースWR#81栗原をケガで失う結果になる捨て身のTDを決め、2ポイントコンバージョン成功で3点差に詰め寄った直後の一発TDだっただけに、相当なダメージを与えたことだろう。

kandai_2.jpg しかし、この試合でヒーローになったのは藤森だけではなかった。後半、藤森や松森へのマークが厳しくなるなか、法政大を突き放したのはQBの#14原口だった。
 172cm/89kgというQBらしからぬガッチリとした体格、「ケガをしたのは捻挫ぐらい」(QB原口)という丈夫な身体能力、相手のタックルをはじき飛ばす重戦車のようなパワフルランで自ら中央を連続突破。「まるで全てのプレーがワイルドキャットのようだ」と、NHK解説者の有馬隼人氏(アサヒ飲料QB)が舌を巻いたこの関西大の攻撃パターンは、シーズン中はほとんど見られなかったもので、法政大ディフェンスは、最後までまったく対応が出来なかった。
 「最後あたりは原口のランにかけようと思っていた」と磯和監督。QB#14原口は後半に3TDを決め、獲得ヤードでも両チーム合わせてスタッツリーダーとなる228ヤード獲得を記録。甲子園ボウルMVPに輝いた。
 試合前に「大舞台をほど気持ちが高ぶる」と話していた原口は試合中、終始笑顔でプ レー。「(勝因は)気持ちが前面に出ていたこと」と原口は笑った。「勝てるQB」を目指した原口は学生日本一のQBに成長した。

kandai_3.jpg 守備では、相手のエースRB#29原のランを最小限に抑えた。第1Qから、DB/K小原やDL#90重近が、早い読みで原の動きを何度も止めた。
 なかでも闘志溢れるタックルを随所で披露し、常に味方を鼓舞し続けた主将LB#33大舘(NFL特別賞)の健闘が光る。
 「ほんま!ありがとう」。円陣の中から主将の大館の声。「みんなのおかげ。最高。このチーム、泣いても負けてもあと一度だけ。1月3日に社会人とやるだけ、やってやろう」。
 主将・大館の叫びが阪神甲子園球場に大きく響きわたった。


記事/大喜多理沙(UNN関西学生報道連盟
写真/P-TALK http://www.p-talk.jp/
編集/畠中隆好(OfficeNEAR)




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