今年のクラッシュボウルは昨年に引き続き、法政大学トマホークスと早稲田大学ビッグベアーズの激突となった。
関東大学リーグ戦Aブロックを勝ち抜いたのは法政大学トマホークス。今季は序盤戦から昨年のエースQB山口、RB堀ら、主力選手を怪我で欠く苦しい状態でのスタートとなったが、QB高島らの成長により、見事に穴をカバーし、選手層の底上げに成功した。
守備陣も主将DL高澤、LB佐藤ら経験豊富なメンバーがチームを引っ張り、堅い守備に磨きをかけてきた。
宿敵・日本大学フェニックスとのブロック優勝決定戦も危なげない試合運びで勝利。全勝でブロック優勝を達成した。
一方、混戦のBブロックを制したのは早稲田大学ビッグベアース。1000ヤードラッシャーのRB末吉を中心とした巧みなボールコントロールオフェンスに加え、今季は守備陣も健闘。
LB福永、DB坂梨がふたりで8回インターセプトを達成。さらにファンブルフォースを合わせ、合計20度のターンオーバーを達成するなど、球際の強さが大きく向上した。
リーグ最終戦で明治大学グリフィンズを打ち破り、こちらも全勝で東日本代表校決定戦・クラッシュボウル決勝へと駒を進めた。
今季は両チームともにラン攻撃中心の展開でゲームを進めており、決勝の行方は守備が相手のエースランナーをいかにして封じ込めるかにかかかっている。
法政大は俊足の堀、パワーランナーの楠原とタイプの異なるRBに加え、巧みな判断力でオプションプレーを決めるQB高島ら層の厚いランナーを活かした多彩なプレーが持ち味である。
一方の早稲田大は、リーグ戦でラン攻撃の4割近くのキャリー回数を重ね、関東学生リーディングラッシャーを獲得したRB末吉が大黒柱としてチームを牽引している。
またOLもサイズこそ恵まれていないが、粘り強いブロックで、エースRB末吉の走路を切り開いている。
どちらのチームも好ランナーをそろえており、お互いのランプレーを封じるために守備陣がどのような戦略でRBにプレッシャーをかけるのかに注目が集まりそうだ。
早稲田大が法政大の連覇を止めた02年の駒沢、タイブレークの死闘の末、法政大が勝利を収めた07年のアミノバタルなど、法政大と早稲田大は、2000年代に数多くの名勝負を繰り広げている。
しかし早稲田大が勝利したのは02年と03年のみ。今季は春のプレシーズンマッチでも対決した両校だが、この試合でも法政大が勝利を収めている。
早稲田大が数年分の借りをまとめてかえすか、それとも法政大がその挑戦を跳ね返すか。甲子園への切符をかけた決戦の開始はもうまもなくだ。
記事/早坂茂(スポーツ法政OB)
写真/スポーツ法政新聞会
編集/畠中隆好(officeNEAR)