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topics 2016-12-05

〜西日本代表校決定戦レポート〜立命大の猛追を振り切り関学大は2年ぶり50回目の出場権獲得

雨中の決戦。立命大の猛追を振り切り関学大が2年ぶり50回目の出場権獲得

毎日甲子園ボウル出場を掛けた西日本代表校決定戦決勝・ウェスタンジャパンボウルは、2週間前に対戦したばかりの関西学院大学ファイターズと、立命館大学パンサーズの顔合わせ。勝利したのは、前半調子のよかった関学大か、それとも後半勢いに乗った立命大か。雨中の戦いは、最後まで目を離せない好ゲームとなった。

コイントスに勝って、攻撃を開始したのは関学大。自陣25ヤードからQB#6伊豆がRB#33野々垣へのパスを決めると、RB#40橋本、#22加藤、再び橋本が力強く走り敵陣33ヤードまで侵入した。
ここからQB伊豆がWR#24池永へパスすると、後ろに走ってきたRB野々垣へピッチし勢いにも乗って20ヤードを前進、ゴール前12ヤードに迫った。
ここで立命大ディフェンスも踏ん張りTDには至らなかったが、K#1西岡が26ヤードのFGを決め、関学大が3点を先制した。

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直後の立命大の攻撃を3&アウトで抑えた関学大は、自陣37ヤードから攻撃を展開。QB伊豆が右へロールしながらWR#16安在へパスを決め敵陣に侵入すると、RB橋本が確実にオフタックル付近を走り、QB伊豆が相手のプレッシャーを避けながらWR#11前田へのパスを決め、敵陣26ヤードとした。
ここからRB橋本のラン、そしてQB伊豆が相手DLを十分に引き付けてのショベルパスをRB加藤へ決めゴール前15ヤードまで迫る。何とかTDを奪いたい関学大だが、ここからの前進は阻まれて、4thダウンからK西岡が27ヤードのFGを決めて6-0とリードを広げた。

一方、立命大は次の攻撃もラン、パスとも冴えず4回で終えてしまう。
対する関学大は、自陣25ヤードからの攻撃で、WR池永の右オープンへのラン、パスインターフェアの反則で大きく前進、さらにQB伊豆からWR池永へのパスやQB伊豆のスクランブルランで敵陣48ヤードまで侵入した。ここでQB伊豆がRB野々垣へパスを決めると、キャッチしてから大きく前進し敵陣28ヤードまで迫る。
ここからQB伊豆のスクランブルランや、RB山口のランでゴール前17ヤードとすると、QB伊豆がRB加藤へショベルパスを決め、RB橋本が1stダウンを狙うべく飛び込んでゴール前7ヤード。最後はRB野々垣が、右オフタックル付近をエンドゾーンまで走り抜けTD。13-0とリードを広げた。

何とかオフェンスのリズムをつかみたい立命大だが、自陣33ヤードからの攻撃もダウン更新ならず。さらに前半で差を縮めておきたい焦りからか、自陣10ヤードからの2ndダウンでQB#11西山が投じたパスを、読み切って前に入り込んだ関学大DB#37小池がインターセプトし、32ヤードリターン。ゴール前1ヤードから関学大が攻撃権を得た。

この思わぬチャンスは、RB野々垣が左オフタックル付近を走り抜けTD。ラッキーな追加点を奪うことに成功した関学は、前半を20-0で折り返し、試合はこのまま一方的な展開になるかと思われた。

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だが後半、立命大は別のチームになってフィールドへ戻ってきた。
まず自陣35ヤードからの攻撃で、QB西山がホットラインWR#18近江へパスを決めると、続けてWR#25渡邉へのロングパスが決まり、一気にゴール前5ヤードまで前進。QB西山がRB西村へTDパスを決め、反撃の狼煙をあげる。

直後のキックオフでは、K#35多田羅がオンサイドキックを敢行。無警戒だった関学大リターンチームの隙を突いて、#3木村がリカバーに成功、引き続き立命大が攻撃権を手に入れる。

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自陣47ヤードからの攻撃は、いきなりRB西村が33ヤードを走り大きく前進すると、QB西山もRB西村へパスを決め、ゴール前8ヤード。ここからQB西山がWR#1猪熊へパスを決め、エンドゾーンまであと1ヤードとすると、最後はワイルドキャットからRB西村がエンドゾーンに倒れこみTD。後半開始から5分弱で、立命大が14-20と追いあげに成功した。

これで勢いに乗った立命大は、3Q終了間際の自陣27ヤードからの攻撃で、RB西村が中央から左オープンに展開し55ヤードを独走する。
これで敵陣18ヤードとなり、さらにワイルドキャットからWR猪熊が右オープンを走り、ゴール前5ヤードまで迫る。ここからTDは奪えなかったものの、K#8栃尾が23ヤードのFGを決め、17-20とさらに点差を縮める。

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完全に立命大へと傾いた流れだったが、試合巧者の関学大が底力を見せる。

試合終了まで残り6分40秒で迎えた自陣2ヤードからの攻撃。QB伊豆がまずWR松井への29ヤードのパスを決め、大きく陣地を挽回すると、RB橋本のラン、QB伊豆からRB野々垣へのショベルパスも決まり前進。
さらにQB伊豆が自ら右オープンを走り敵陣43ヤードまで前進した。

ここからRB野々垣のドロー、QB伊豆からTE#93三木へのパス、RB#21山本の中央付近へのラン、RB野々垣の左オフタックル付近へのランで敵陣20ヤードまで侵入した。
QB伊豆のドロー、RB橋本の2度のランでゴール前9ヤードとすると、最後はRB加藤がエンドゾーンに走り込みTD。この局面から5分30秒のロングドライブで、26-17と再びリードを奪うことに成功した。

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試合終了まで残り1分10秒で攻撃権を得た立命大。9点差を逆転するにはTDとFGを決めなければならないが、自陣26ヤードからの攻撃で、QB西山がWR近江への54ヤードのパスを決め。一気に敵陣20ヤードまで攻め込む。
次のプレーで関学大DBがインターフェアの反則でゴール前5ヤードまで迫った。しかしここからQB西山の投じたパスは4回とも失敗に終わり万事休す。手に汗握る一戦は、26-17で関学大が勝利を収めた。

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関学大も鳥内監督は「この試合に勝てたことはうれしい。コーチや選手に感謝したい。試合はもつれると。4Q勝負になると言い続けてきたので、ベンチに焦りはなかった。最後もドライブでTDを取れたことは大きかった」と、ホッとした表情。
甲子園ボウルに向けては「西日本代表としてはずかしくない試合をやりたい」と気を引き締め直す。

一方、立命大も米倉監督は「前半ベーシックなオフェンスを展開してしまった僕の責任。結論だけでいうと、後半のように自由に攻撃させることが、前半からできたら違った展開になったと思う」と拙攻を悔やむ。
「でも関学大はこれだけ強いチームをよく作られたな、と思わせるほど強かった。その関学大と2試合戦えたこの2週間に感謝したい」と振り返っていた。

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記事;江田政亮(関学OB/スポーツライター)
写真;福田祥太(P-TALK)
編集;畠中隆好(officeNEAR/甲子園ボウルPJT)