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topics 2016-12-23

甲子園ボウルレビュー〜4Qに関学大の底力。粘る早稲田をねじ伏せて2年ぶり28回目の学生王座に。

4Qに関学大の底力。粘る早稲田をねじ伏せて2年ぶり28回目の学生王座に。

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好天にも恵まれた12月18日。35000人の観衆を集めた三菱電機杯第71回毎日甲子園ボウルは、東日本代表・早稲田大学ビッグベアーズと西日本代表・関西学院大学ファイターズの対戦。互いに日本の学生フットボール界に、黎明期からの歴史を刻んできた両チームだが、甲子園ボウルでは大会史上初という顔合わせとなった。

自陣26ヤード付近から関学大の第1シリーズ。中央を固めてくる早稲田守備に対し、先発QB#6伊豆は、WR#24池永、#11前田らにパスを散らしながら進攻。敵陣23ヤード付近まで攻め込むが、ここからのランプレーを阻まれ、K#1西岡の38ヤードFGトライも不成功。無得点に終わる。

しかし第2シリーズで、WR#88亀山へのパスで一気に敵陣45ヤードへ進むと、WR前田、亀山へのパス、RB#40橋本のランなどでダウン更新を重ね、最後はゴール前11ヤードから、QB伊豆が自ら持ち込んでTD。7-0と先制に成功する。

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早稲田も反撃する。自陣35ヤードからの第2シリーズ。QB#12笹木からWR#85鈴木(隆)への37ヤードパス成功で一気に敵陣へと攻め込む。WR#4西川へのパスやQB笹木自らのランなどで連続ダウン更新、ゴール前4ヤードに迫ると、RB#6北條がエンドゾーンを駆け抜けTD。7-7の同点とする。

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しばし膠着状態のあと、2Q終盤。関学大がランアタックで勝負に出る。自陣29ヤードからRB橋本が右サイドライン際を36ヤード駆けあがり敵陣へと進撃。ここからもRB野々垣、QB伊豆、橋本らが走ってゴール前に詰め寄ると、RB#22加藤が左オフタックル付近を抜けてTD。14-7と再びリードを奪う。

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さらにここで早稲田に手痛いミスが2つ出る。キックオフリターンでスペシャルを狙ったプレーが前パスの反則を犯し、自陣10ヤードと深い位置からの攻撃スタートとなった。
その第1プレー。パスの構えに入ったQB笹木に、関学大のDL#52松本(英)が激しいチャージ。苦し紛れに投じたパスを関学大のLB#45山本(祐)がインターセプト。そのままエンドゾーンに持ち込んでTD。21-7と関学大が突き放す。

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後半。早稲田もランを軸にじっくりと立て直しにかかる。ワイルドキャット体型からRB#28須貝のランを契機に、RB北條のラン、WR#13遠藤へのスクリーンパスからのランなどで敵陣へと進攻。さらにRB北條のラン、WR#17ブレナンへの短いパスなどで敵陣20ヤード付近まで陣地を進める。
ここからRB須貝のラン、RB#36山崎へのパスでゴール前9ヤードとすると、4thダウンからの攻撃。
FGトライの体型を変化させ、TE#81松岡へスナップを送ると、走り込んできたQB#1坂梨がボールを受け取って、リバースフェイクからのパス。これをエンドゾーン右隅でTE#87田島がキャッチしてTD。土壇場でスペシャルプレーを成功させ、14-21と早稲田が1本差に詰め寄る。

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続く関学大の攻撃をQBサックなどで3&アウトに抑え込み、このまま早稲田がペースを掴むかに見えたが、関学大守備陣がここを踏ん張り、変わりかけた流れを食い止める。

3Q終了間際、伊豆の好パントなどで敵陣45ヤードから始まった関学大の攻撃。RB野々垣のランでダウンを更新すると、QB伊豆からWR#88亀山へのパス、RB加藤、橋本らのランでゴール前7ヤードまで攻め込む。
ここからTDには至らなかったものの、K西岡がFGを成功させ、24-14とリードを広げる。

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早稲田も必死の反撃を試みる。自陣29ヤードから始まった攻撃。ワイルドキャットからのRB須貝、北條のラン、さらにRB須貝、坂梨のダブルリバースからボールを受け取ったQB笹木がRB山崎へロングパスを決めるスペシャルで、ハーフライン付近へと一気に前進する。

だがここから関学大DL陣が激しいプレッシャーで攻撃を押し戻す。押しこまれた3rdロングから早稲田のQB笹木が投じたパスを、関学大DB#37小池がインターセプト。相手陣46ヤードまでリターンし、関学が攻撃権を得る。

このチャンスに関学大は、RB野々垣、橋本らのランでダウン更新。さらにRB加藤へのショベルパスも決まって敵陣20ヤード。
ここからもRB野々垣のラン、橋本のダイブなどでゴール前に詰め寄ると、最後もRB野々垣が密集をくぐり抜けてTDラン。終盤の5分14秒を消費したドライブで、TDを決めて31-14と勝利を決定づけた。

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試合はこのまま関学大が勝利。2年ぶり28回目の学生王者の座をつかみ取った。
甲子園ボウル最優秀選手には、関学大のQB伊豆、敢闘選手には早稲田のLB加藤、また年間最優秀選手・ミルズ杯には、関学大の主将LB#47山岸がそれぞれ選ばれた。

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記事;畠中隆好(OfficeNEAR/甲子園ボウルPJT)
写真;P-TALK
http://p-talk.jp/