苦しい戦いの連続だった。「DRIVE」をスローガンに掲げ、OL占部雄軌主将を中心に2022年度ファイターズが始動。春シーズンが開幕すると、下級生が徐々に頭角を現し成長を見せる。順調に戦力の底上げが進んでいるかと思いきや、彼らに試練が待ち受けていた。
春季交流戦3戦目、関学は関大と対戦。先制点を挙げたが、その後関大がランでTDを決め同点に追いつかれた。追加点を挙げようとゴール前に迫るも、ディフェンスを破れず7—7で試合終了。「OLが通すべきランだった」。ここでチームの課題が浮き彫りとなった。
チームが未完成な状態の中、ついに秋シーズンが開幕。今年度から形式が変わり、全日本選手権に出場できるのは関西から1校のみに。全勝でリーグ戦を勝ち抜くことが優勝への近道となった。初戦から着実に成長を見せてきた関学だったが、関西制覇を目前に3年ぶりに立命大を下した関大が立ちはだかる。
迎えた運命の関大戦。試合開始早々、キッカーの蹴ったボールをRB前島が76㍎のリターンに成功した。一気にゴール前に詰め寄るも、エンドゾーンには届かず。FGで先制点を挙げたがすぐさま同点に。その後互いに1本ずつTDを決め、10—10で前半終了。予断を許さない状況の中、大きく試合を動かしたのがDB中野遼司のインターセプトだ。そのまま38㍎を走り抜け、TD。17—10で勝利を収め、4大会連続59回目の関西リーグ優勝を達成した。
最後の山場は宿敵・立命大との対戦。関西単独制覇を懸けた絶対に負けられない1戦は大接戦の末、10—6で勝利を収めた。「またディフェンスに助けられた」と占部。全日本選手権の出場が決定すると1週間後には福岡で九州代表の西南大との対戦に臨んだ。49—9の大差で勝利するも、セーフティやリターンタッチダウンでの失点が目立つ結果に。「まだまだ自分たちの認識が甘い」。全勝で甲子園ボウルへの切符を手にしたが、理想の姿には程遠かった。
「今度こそ勝ち切るゲームを」。泣いても笑っても2022年度ファイターズの挑戦は甲子園で終わりを迎える。「DRIVE」を体現し、王座を守り抜くことはできるのか。幾度も難所を乗り越えてきた青戦士たちの集大成を見逃すな。
記事:早川茜(関西学院大学体育会学生本部編集部・関学スポーツ)
写真:関西学院大学体育会学生本部編集部・関学スポーツ
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