全日本大学アメリカンフットボール選手権

パナソニック電工杯 第64回毎日甲子園ボウルオフィシャルサイト

Road to パナソニック電工杯 第64回甲子園ボウル MAINICHI KOSHIEN BOWL 大学「日本一」決定戦!!


充実した戦力で2年連続甲子園出場。
6度目の制覇と初代全日本大学王者を目指す。


 早稲田大学ビッグベアーズを下し、昨年までの「関東王者」ではなく、「東日本王者」の看板を引っ提げ、聖地甲子園への凱旋を果たした法政大学トマホークス。今年も昨年同様、春から負けなしの全勝で2年連続甲子園ボウルへの出場を決めた。

 まず今年の法政大の攻撃で注目すべきはQB起用法にある。基本的には関東学生リーグのリーディングパッサーの強肩QB#4山口がスターターとしてプレーするが、今年は山口と同学年のQB#18高島が要所で光るプレーを見せる。法政二高時代からオプションQBとして走力に定評のあった高島だが、今季はショート、ミドルのパス精度が飛躍的に向上した。
 ショットガンからのオプションプレーの精度が、攻撃の精度に直結する法政大の攻撃システムにおいて、走力が高い高島の成長は非常に大きなアドバンテージとなる。甲子園では強肩の山口と俊足の高島を、同時にフィールドに起用する場面が見られるかもしれない。

 こうした山口、高島の成長により、今年の法政大はパス攻撃が大きく向上した。リーグMVPのWR#81栗原はディープターゲットとして常に相手DB陣の裏を狙えば、地上戦でもエースRB#29原が独特のステップワークを見せる。
 その原は絶対的なエースとして1000ヤードラッシャーとなった昨年から、獲得ヤードが681と減少してしまったが、これはキャリー回数が減少したことも影響している。昨年からも試合に出場していたRB#28堀のキャリー数が増え、原と遜色ない活躍を見せている。さらに今季は、3年生RB#99楠原が急成長。180cm、88kgの大型ランナーとして3rdダウンショートの場面での迫力ある走りで、着実にファーストダウンを奪う。

 一方守備に関しては、昨年の主将LB影澤ら軸となるスターター喪失も影響し、下級生が試合に多く起用される状態となった。リーグ戦での完封勝ちが第4節の東海大学戦のみと、不安定な状態であると指摘されることがある。
 しかし早稲田大とのクラッシュボウル決勝で、早稲田大の絶対的エースRB#33末吉を、DLとセカンダリーが一丸となった集まりの速さで封じ込め、守備にも復調の兆しが見られた。

 「今年は攻撃のチームといわれるくらい、ディフェンスは強くない。だからこそみんなが力を合わせて集中してプレーすることを目標にした」と、主将DL#44徳田。それぞれが単独のユニットではなく、各ポジションの選手が集中して、法政大の看板であるボールキャリアーへの集まりの速さを実践してみせた。
 さらにパス守備においても、穴といわれていたDB陣がCB#27竹腰を中心に、WRとの競り合いで気迫を見せ、常にボールに食らいつく姿勢でターンオーバーを奪い、勝利に大きく貢献した。

 甲子園ボウルの対戦校である関西大をはじめとして、近年では大学からの大きなバックアップを活かして戦力を高めるチームも増加している。これは学生主体の法政大にとって厳しい状況ともいえる。しかしそれが必ずしもマイナスに働いているとは言えない。
 「もし法政大がすべての面で恵まれたチームであったら、ここまで強いチームなれたかどうかわからない。足りないものがあっても、それを学生中心に自ら考え改善していくことでチーム力を高めていった結果が今の強さにつながっている」と語るのは大森廣行前総監督(現シニアディレクター)。
 こうした学生自らが考える経験があるからこそ、試合中の苦しい場面でも、選手たちが自信を持ってプレー出来、今年も接戦に競り勝つハートの強いチームに仕上がった。

 全日本大学選手権に様変わりした毎日甲子園ボウル。法政大学トマホークスはその長い歴史の1ページに、新たに「初代・全日本大学王者」として自らの名を刻むために、東の王として西の皇帝と雌雄を決する。


記事;早坂茂(スポーツ法政OB)
写真;スポーツ法政新聞会 http://blog.nikkansports.com/user/hosei/
編集;畠中隆好(Office NEAR)





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