全日本大学アメリカンフットボール選手権

パナソニック電工杯 第64回毎日甲子園ボウルオフィシャルサイト

Road to パナソニック電工杯 第64回甲子園ボウル MAINICHI KOSHIEN BOWL 大学「日本一」決定戦!!


61シーズンぶりの甲子園出場。
群雄割拠の関西を制し皇帝が聖地に凱旋。


 62年ぶりに関西学生リーグで全勝優勝を果たし、西日本代表決定戦では東海代表の名城大を倒して、西日本を制覇した関西大学カイザース。「61シーズンぶりの甲子園ボウル出場」という歴史的偉業を成し遂げた関西大は、学生日本一を懸けて2年連続甲子園ボウル出場の法政大と対戦する。

  関西大アメリカンフットボール部が創部されたのは1934年。今年で75年目を迎え、関西では最初の大学チームとして長い歴史を持つ。終戦を経て、創部19年目に第2回甲子園ボウルで明治大を6-0で破り初優勝。この頃の関西学生リーグは、関西大、同志社大、関学大、京都大の4校だった。
 翌年も甲子園出場を決めるが、慶応大に敗退。その後は関学大が著しく成長し、甲子園ボウルの常連校となっていく。80年代には京都大、90年代には立命大の台頭によって、関西大が関西を制することは難しくなっていった。伝統ある古豪として戦いながらも、関西大はDiv.Ⅱ降格の屈辱を何度か経験してきた。

 では何故、今季の関西大が番狂わせを起こし、優勝までたどり着いたのか。何か絶対的な原因があるとは言えないが、学校の設備環境の向上、新しい受験制度の導入、新しい指導者によるチーム活性化などが挙げられるだろう。また、忘れてはいけないのが昨年5位に転落し、苦渋をなめた選手ら自身が努力を積み、這い上がってきた「関大魂」が最も大きな一因といえる。

 1999年にDiv.Ⅱに降格していた関西大は、2002年に磯和監督が就任してDiv.Ⅰへ昇格。この頃から、甲子園ボウル出場QBであり、大学理事長だった羽間平安氏の尽力によって大学の設備充実、新しい入試制度の導入などが始まり、有能な高校生のリクルートが実現可能となり、次第にチーム強化の環境が整っていった。
 2003年から2007年までは5年連続の3位。2006年には京都大出身で、Xリーグの強豪・鹿島ディアーズでも、攻撃の中心選手だった板井オフェンスコーディネータ(現ヘッドコーチ)を招聘し、指導体制の強化を図った。板井HCが、関西大に来て4年目を迎えた今季、ちょうど来た年の新入生が最終学年を迎える。
 板井HCは、不規則になりがちな食生活から選手に呼びかけて改善させていった。また大学生活の中で、興味が拡散しがちな選手らに「シーズン中だけでも、アメフットに全てを懸けよう」と選手らを導いた。
 「アスリートは、去年と比べてもほとんどいなかった。そのことを選手に言い続けてきた」と、磯和監督。絶対的エースという存在がいない中で、シーズンを通して選手達は成長していった。

 攻撃陣ではまず、関西学生最優秀選手に選ばれたRB#1藤森を挙げる。今春にWRからRBにコンバートされ、才能を開花させた。自慢の快足でリーグ最多の72得点を挙げてチームに貢献した。
 また今季はRB陣が目立った試合内容だったが、WR陣にもタレントは多い。第6節から復帰したWR#12森田を始め、#7池井、#17高原、#16岡の4人は、板井HCから「どこのチームに行っても通用する」とのお墨付き。リーグ戦ではランアタックが多かった分、パス攻撃が活かされる場面がやって来そうだ。
 また大きく成長したQB#14原口の存在は大きい。秋からスターターを勝ち取った原口はQBにしては珍しい90kg、173㎝のどっしりした体格で当たりにも強い。パス精度も増してきており、より一層の期待ができる。

 一方、守備では一流のフィジカルを持つDL#90重近を始めとする重量ライン陣、LBでは主将#33大舘、DBではKも兼任する#30小原が中心となって法政大の速い攻撃陣に挑む。
 法政大のRB#29原、WR#81栗原など注意すべきスーパーアスリートが多い中、どこまで法政大に対抗出来るのか注目したい。

 関西大にとって法政大は、毎年春に過去62回を数える定期戦を行ってきた相手。これまでの通算成績は、16勝46敗と大きく負け越し。今春も新チームになっての初試合で対戦し、0-35と完封負けを喫している。
 「あのとき、あれだけやられたからこそ、ここまで来ることが出来た」と主将LB#33大舘。板井HCは「基本的には奇をてらったものではなく、正当なフットボールで(法政大に)胸を借りたい」と話す。
 春の定期戦完敗から約8か月。成長した関西大が、いかにして東の王者に食らいつくのか。決戦の時は刻々と近づいている。


記事;大喜多理沙(UNN関西学生報道連盟
写真;P-TALK http://www.p-talk.jp/
編集;畠中隆好(Office NEAR)




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