全日本大学アメリカンフットボール選手権

パナソニック電工杯 第65回毎日甲子園ボウルオフィシャルサイト

Road to パナソニック電工杯 第64回甲子園ボウル MAINICHI KOSHIEN BOWL 大学「日本一」決定戦!!


QB #12 広野公大 RB #10 末吉智一 (すえよし・ともかず)

 RB末吉智一。「早稲田の注目選手は?」と尋ねられれば、誰もがこの名前をあげるであろう。それほど彼の存在は大きく、攻撃の中心を担う選手である。身長178センチ、体重93キロと、大きな体でラインの選手と見間違うほどであるが、40ヤード4秒7の俊足の持ち主でもあり、強くて速いランナーである。

 高校時代は東京の早大学院で、RB兼LBとして活躍。3年生時にはチームメイトのDB坂梨らとともに、全国高校選手権決勝まで進むも、大産大附高に敗れ惜しくも準優勝。U-19日本代表にも選ばれていたが、当時はLBとしての選出であった。
 早稲田大学へ入学後はRBに専念。1年生から試合に出場し、1年目から691ヤード、11TDを獲得した。エースとなった2年時にはリーグ4位の606ヤード、7TDを獲得。しかし、甲子園ボウル出場のかかったクラッシュボウル決勝・法政大戦で、無念の負傷退場。エースが大事な場面で活躍できずにチームも敗れてしまった。

 新チームとなった今季、末吉はこの悔しさをばねに真のエースとして1000ヤード走ることを目標に下半身を徹底的に強化。太もも周りなどは、昨年に比べて見違えるほどたくましくなり、スクワットが30kgアップ。同時に体重は3kg絞りより強くなって帰ってきた。今シーズン7試合で全試合100ヤード以上を獲得すると、見事に史上7人目となる1000ヤードラッシャーとなった。

 中でも圧巻だったのは最終節の明大戦。末吉が中央のランプレーを試みると、相手LBに捕まりダウンかと思われた。しかし、末吉は片手をついただけで、再加速しLBを振りはらうと、前から来たDBも振りきって、無人のエンドゾーンへと駆け込んだ。
 末吉は決して簡単には倒れず、相手守備選手から「1人では決して止められない」と言わしめるほどの選手に成長を遂げた瞬間だった。

 甲子園ボウルの舞台でも、末吉の役割は変わらない。悲願の『日本一』へ向け、エースRB末吉が緑のフィールドを駆け抜ける。


広野公大 QB #12 広野公大(ひろの・こうだい)

『日本一』を目指すビッグベアーズを今シーズン率いてきた司令塔QB広野公大。
 これまでスターターを務めてきたQB芳賀が春季のケガ治療に専念したことにより、広野は夏に経験を積み、レシーバー陣とのパスコンビネーションが向上した。リーディングパサーとなった今シーズンのパス成功率は70.8%と結果を残した。
 しかし広野は「100%決めることが出来る試合はあった」と、現状に満足せず『日本一』になるその日まで、さらなるパス向上を目指す。

 広野自身が自らのクォーターバッキングについて「テンポよいオフェンスのリズムを作ること、ボールコントロールが出来ている」と分析するように、相手に的を絞らせないパス、ランのバランスのとれたプレーを展開してきた。
 プレーに加え、広野の武器はそのメンタルタフネスだ。相手や試合展開に関わらず常に冷静な判断で確実にプレーを遂行していく。
 広野自身『Be Cool , Play Hard』を掲げているように、甲子園ボウル出場をかけたクラッシュボウル決勝という大舞台、これまで越えられなかった法政大相手に広野はスターターとして出場し、RB末吉を警戒する法政大ディフェンスを見事に翻弄し、早稲田のオフェンスを展開した。

 甲子園ボウルでもスターター起用が予想される広野が、実力では上をいく(関西の代表校)を相手に、どれだけ末吉を走らせることが出来るか――。
 夏に鍛えたパスとメンタルタフネスを武器に、勝利の鍵を握る男、広野公大がビッグベアーズを甲子園から東京ドームへと導くに違いない。


井田將仁 LB #8 井田將仁(いだ・まさひと)

 早稲田大学ビッグベアーズのディフェンスリーダー井田將仁。井田は素早い決断力、強いタックルを繰り出す身体能力、ボールキャリアを仕留めるまで足を止めることのない運動量を兼ね備えたLBだ。

 早稲田といえば安定感のある守備。しかし昨季のスターターを卒業により大量に失った今季、守備の再建が大きな課題であった。その再建の中心となったのがディフェンスリーダーの井田だ。井田が掲げたスローガンは『Break』。貪欲にターンオーバーを狙っていく意識を持つことを意図するこのスローガンを、忠実に体現しているのが井田のプレーだ。

 関東大学リーグBブロック優勝をかけた明大戦では、先制点に繋がるインターセプトを決めた。クラッシュボウル決勝ではターンオーバーこそは無かったものの、ソロタックルは試合最多の8回を記録。練習から常に誰よりも大きな声でチームを鼓舞し、試合では自身のプレーでチームを牽引してきた。
 今シーズン残した結果は、チーム20ターンオーバー。『Break』がディフェンス陣に浸透したことを示す結果と言える。

 甲子園ボウル出場を決めてもなお、井田の表情が緩むことはない。「春に立命と関大に負けている。『日本一』を目指してやってきた。男として負けるわけにはいかない」と、井田の鋭い目線は、甲子園の先をも見ている。
 早稲田はこれまで粘って、粘って、最後にボールを持って来るディフェンスで、得点力のある相手から勝ち星を重ねてきた。
 ラストシーズンの大一番を迎える井田が、絶対的なボールへの嗅覚で、縦横無尽に甲子園を暴れる姿を見ることは、すなわち、早稲田がライスボウル進出を意味することとなる。


スコット・ダフィー DL #99 スコット・ダフィー(すこっと・だふぃー)

 周囲と比べても背番号99がひと際大きく見えるラインマン、スコット・ダフィー。彼は他のDLとは一味も二味も違う。
 190cm、103kgの生まれ持った強靭な体格を生かして突き進むその姿は、まさに幕末の日本を震撼させた『黒船』のようだ。

 ダフィーは1年間の留学生として日本の地に降り立った。高校時代にアメリカでフットボールをしていたこともあり、ビッグベアーズに入部することは必然だった。
 1年間必死にチームの一員として汗を流す一方で、刻々と迫る帰国の時。「せっかくなら日本の仲間と一緒にフットボールがやりたい」。その一心で留学生扱いだったダフィーは、試験に合格して国際教養学部へ編入、晴れてビッグベアーズの一員となった。紆余曲折で歩んできた4年間のすべてをぶつける時が来た。

 昨季のダフィーは、フィールドで躍動することがあまり出来なかった。しかし今季は違う。ビッグベアーズが誇るDLの中心として立ちはだかり、QBサックを量産。チームの躍進に貢献している。その活躍が評価され、リーグMVPを受賞するなど、いま乗りに乗っている男だ。また、サック後に見せる大きなパフォーマンスでチームを鼓舞するなど、ムードメーカーとしても存在感を示す。

 「僕はサムライになりたいんだ」。そう語るダフィーは、夢の一つであった甲子園ボウル出場に胸を膨らませている。ここまで育ててくれた朝倉孝雄監督やコーチ陣、スタッフ、そして今まで支えてくれた仲間のために恩返しがしたい。
 自らのプレーで甲子園を沸かせる準備は出来ている。サムライよ、甲子園で旋風を巻き起こせ――。


坂梨夏木 DB #33 坂梨夏木(さかなし・なつき)

 インターセプトを始めとするビックプレーで、ディフェンスからオフェンスにモメンタムを持ってくる。今シーズンの早稲田のスタイルは、この男なくしてなし得なかっただろう。ビッグベアーズ守備陣最後の砦、DB坂梨夏木だ。現役の早稲田選手では、唯一の関東ベストイレブン受賞者でもある程、その実力は折り紙つきだ。

 『Make it happen』。これは坂梨がリーグ戦終盤の天王山、中央大戦と明治大戦で掲げたスローガンである。
 オーソドックスに攻めたり守ったりしていたのを、あえてぐちゃぐちゃにしてビックプレーを狙いにいく。今季、2季連続でインターセプト王に輝いた坂梨のプレースタイルを的確に表している言葉だ。一対一でオーバーパワーできない今季のディフェンスチームでは、粘って相手のミスを誘発すること、仕掛けて一発インターセプト、QBサックなどのビックプレーを狙うというスタイルを取ってきた。
 実際、レッドゾーンからのインターセプトで今シーズン何度もスタンドを沸かせた。
 ただ坂梨の持ち味はインターセプトだけではない。東京・早大学院時代にはQBも兼任してプレーしていた。そのQB経験が、相手の攻撃を予測したパスディフェンスのポジショニングに活きているのだ。

 3年生にしてキッキングチーム主任を務める坂梨。しかし今季、坂梨のキックオフリターンTDはまだ1つ。また法政大戦では、オンサイドキックとキックオフリターンTDを決められるなど、結果には本人も納得していない。それだけにキッキングチームの復調にかける思いは強い。
 立命館相手にキッキングチームが、モメンタムをつかむことができるかが、勝利のカギを握ると言っても過言ではない。

 高校時代は、RB末吉(智)とともに全国高校選手権決勝クリスマスボウルに出場。しかし、関西の高校に敗れた。
 あれから3年、坂梨も末吉(智)も大きく成長し、早稲田の中心選手になった。あの時の悔しさを胸に関東王者として、再び打倒・関西に挑戦する。


荒川貴裕 OL #58 荒川貴裕(あらかわ・たかひろ)

 『RB末吉(智)に1000ヤード走らせよう』を合言葉に、今季は有言実行を果たしたOL陣。末吉(智)も、「この1000ヤード突破はOLのみんなで取ったもの」と感謝する。1000ヤードラッシュの大記録はOL陣の成長なくしては、なし得なかった。そんなOL陣の中核を担うのが、OLリーダーの荒川貴裕だ。

 新チーム発足当初、最も再建が急務となったユニットがOLだった。昨年からのスターターは荒川と梶本靖記だけ。今年はDLから転向して2年目の望月俊と、2年生の福留悠斗、長瀬彗らがスターターに加わった。
 しかし、春のプレシーズンマッチではミスが多いうえ、相手DLに力負け。今年の早稲田OL陣は他大学に比べサイズがなく、フィジカルの弱さと経験不足が直接チームの不振につながっていたのだ。

 現在のようにOL陣が安定して、ランオフェンスやパスプロテクションを支えるようになるまで、荒川は梶本とともに下級生をサポートし続けた。OL陣の成長の要因には、今年から指導にあたる矢部寛之コーチ(城西大卒)のもと、ファンダメンタルが徹底されたことが挙げられる。その練習はチームで一番厳しいといわれ、シーズン中でも数値の管理を徹底し、フィジカル強化を続けた。
 その結果、OL陣は試合のたびに成長。サイズはなくともウェイト、フィジカル面で他大学を圧倒できるまでに頼もしくなった。

 東京・早大学院入学とともにフットボールを始めた荒川も、今年で7年目のフットボール歴を迎える。高校時代からタッグを組むオフェンスリーダーQB芳賀太郎とともに、7年間積み重ねた知識と経験で、下級生の戦術面を含めたサポートを担っている。
 早大学院出身の下級生は、全国高校選手権決勝クリスマスボウルに出場しているのに対し、荒川と芳賀の代は神奈川・法政二高に敗れ、出場はかなわなかった。
 法政大へのリベンジは果たした。7年間秘めてきた思いを胸に、いま初めて全国の舞台に立つ。



記事/早稲田スポーツ新聞会
写真/早稲田スポーツ新聞会
編集/畠中隆好(officeNEAR)
 


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