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関西  2011.10.01

讀賣テレビ尾山アナが見た関西学生〜2011年シーズンは嵐の予感...〜

2011関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1 ~第2節を終えて~
『2011年シーズンは嵐の予感...』
讀賣テレビ放送・尾山憲一アナウンサー




9月に入って早々、勢力を保ったままゆっくりと北上した台風12号。

この台風は紀伊半島に甚大な被害をもたらしただけでなく、アメフト界にも影響を及ぼした。関西学生アメフトリーグDiv.1の開幕戦であった3日、台風が近畿地方に再接近したこともあり、神戸の王子で開催予定の2試合と京都の西京極で開催予定だった 2試合が中止→翌日に順延。また、第2節の17日も台風15号余波と秋雨前線が重なり、暴風雨の中での公式戦となった。各チームにとってデリケートであるシーズン序盤の戦いに、何らかの不安を与えたことは間違いない。

昨季関西学生リーグは、1敗で立命館・関大・関学が並び、1996年以来史上2度目の3校プレーオフとなり大いに盛り上がった。背景として、09年に関西大学が61季ぶりにリーグ優勝を飾り、学生日本一にも輝いたことが挙げられる。97年以降、立命館と関学の一騎打ちとなっていただけに、古豪関大の復活が関西リーグを俄然活気づけたのだ。

そんな中、台風直撃で始まった2011年秋のシーズンは'嵐'の予感がする...

戦前の予想では、春シーズン無敗の立命館を筆頭に、関学・関大の3校が中心になると思われていた。もちろんその予想通り 3校とも開幕2連勝を飾っているが、嵐の予感の根拠は『京都大学』の復活の可能性が出てきたからだ。さらに、神戸大や甲南大も着実に力をつけている。直接対決にだけ集中すればいいという上位校の思惑はまかり通らないまさに戦国リーグなのだ。

【昨季1位:立命館大学パンサーズ】
やはり今季もこのチームを中心に展開されそうだ。
今年もとにかく選手のサイズが大きい...米倉HCが「Power football」を提唱しているようだが、開幕からの2試合を見てもライン戦を圧倒的有利な状況だ。昨季3年生ながら松葉杯を受賞したQB谷口が体格もさることながらその存在感が大きくなった。課題はパスというが、磐石なOL陣に守られて成長した姿をいかんなく発揮できるだろう。
関係者は例年より若いチームとは言うが、1試合ずつ成長していき、これまで同様の豹になっていくはずだ。

【昨季1位(2位相当):関西学院大学ファイターズ】
再び甲子園を知らないチームになる...関学は史上2度目のピンチに立たされている。かつては甲子園ボウルの常連校であった関学。2005年に史上初の屈辱を味わったが、今の4年生が入学前の07年に甲子園ボウルへ出場して以降その覇権は他校に奪われたままだ。今年の主将はエースRBの松岡。関学史上、RBが主将になるのは82年度の濱田篤則氏以来のこと。伝統的にほぼラインメン達が務めていただけに極めて珍しいことだ。だが、この主将松岡の想いはすでに沸騰寸前...4年生全員頭を丸めて夏を過ごして臨んだ今シーズン、つまらない反則やミスはあったが開幕から順調な滑り出しと言っていいだろう。3年生の畑と4年生の糟谷でスターターQBの座を争っていたが、勝ち取ったのは3年生の畑。バックス&レシーバー陣は今年も能力の高い選手が多いだけに、司令塔の出来がすべてと言っても過言ではない。
青き戦士達が歴史にも立ち向かう...

【昨季1位(3位相当):関西大学カイザーズ】
前述の通り、群雄割拠の戦国リーグを演出するきっかけはこのチームの台頭が象徴だ。1935年、関西で最初にリーグに加盟した古豪も過去数回Div.2降格を経験するなど苦しんだ末、大学全体の取り組みにも後押しされ、2009年61季ぶりの優勝を果たした。
今季はスクールカラーである紫紺を使った新ユニフォームを導入したNewカイザーズだが、開幕からの2試合はまだパッとしない。前半に自分達の戦いが出来ておらず、初戦の甲南大戦は前半終了時2-0。2戦目の神戸大戦も1Qではほんの数分しか攻撃できなかった。だが、一度火が点くと実力を発揮する。また伝統のキッキングでのビッグプレーも健在だ。
そんな中、昨季から本格的にチームを指揮する板井HCは「過去2年の成功が緩さになっている。4年生に奮起を促したい」とぴしゃり。
2年前、選手・関係者はもちろん、永きに渡って支えてきたOBも歓喜させた皇帝が、10月に入って培われた実力を発揮してくるだろう。

【昨季4位:京都大学ギャングスターズ】
96年3校プレーオフを制して以来、頂点にたどり着いていない京大。少子化や現代っ子気質などの時代背景もあり、国公立大学としての難しさが顕著に表れている。しかし、今年の京大はようやくチームとしての'層'が厚くなった。部員総数が100人を超えたのだ。98年度主将で現ヘッドコーチの西村大介氏の年以来13季ぶりだという。これまでの京大は、主力選手がケガをすると交代メンバーとの力の差が明確だった。人数が増えれば競争も生まれ、戦術や戦略でカバーしてきたもの以上のパフォーマンスが期待できる。
今季の主将DL徳原は久しぶりに京大の匂いがする選手だ。2戦目の甲南大戦、水野監督曰く「ねんざ」のためサイドラインで試合を見つめていた徳原は、同点の終盤、接戦に業を煮やしラインに加わると、その圧倒的な力を発揮し攻撃陣に喝を入れ、決勝FGを呼び込んだのだ。
オフェンス陣ではスターターQB2年目の今村の成長に期待がかかるが、開幕からの2試合とも天候不良での試合だったためパッシングゲームが出来ず、ポイントであるパスがどれだけ成長したかはこの中盤にかかってきた。
開幕前の報道説明会にて西村HCはこう語った...
『アメフト界が再び盛り上げるには京大の復活とよく言われますが、他のチームの皆さん、それなら我々に勝たせて下さい!』会場内は爆笑の渦と化したが、冗談半分、本音半分といったところだろう。
例年以上に手応えを感じている今季のギャングは、自力で王座を奪い取る'台風の目'と化すかもしれない。

【昨季5位:神戸大学レイバンズ】
昨季3勝の神戸大は初戦京大との国公立対決にすべてをかけていた。同じ国公立大のチームでも入試システムに若干の違いがあり、身体能力では京大を上回る選手が多いだけに、京大越えでシーズンに勢いをつけたいところだったが、相手の反則やミスにつけこめず敗退...気持ちを切り替えた2戦目の関大戦は、試合開始から10分近くボールを所持する見事な攻撃に加え、先制直後にオンサイドキックの奇襲で再び攻撃権を得るなど1Qは神戸大らしさを存分に披露したが、関大のビッグプレーでモメンタムが変わるとそのままずるずると意気消沈...開幕2連敗スタートとなった。
昨季下位校との戦いに油断がなければ、08年の4勝に手が届く位置にはいるだろう。

【昨季6位:甲南大学レッドギャング】
主力が抜けた攻撃陣に不安がある中での船出となった今シーズン。 QBには昨季のリーディングレシーバーだった永吉(3年)がQBに転向し、その脚力を生かすためのプレーコールが中心となる。
あとはどれだけパスをヒットさせるか?前節京大戦でも、ここ一番での得点力や同点の終盤にインターセプトされるなど課題が残った。逆に守備陣は昨年まで経験を積んだ選手が多く、関大戦では前半2失点(セーフティーのため守備の失点ではない)京大戦では1試合通じてタッチダウンを奪わせななかった。
攻守がかみ合えば、3年連続3勝の壁を突き破れるだろう。

【昨季7位:同志社大学ワイルドローバー】
関係各位には申し訳ないが、開幕から2試合を消化したDiv.Iの中で一番不安なのが同志社かもしれない...小林監督・茨木HCの新体制の下、OBであるXリーグIBMの森橋ヘッドコーチを攻撃コーチ加え、フラストレーションがたまる現状を打破しようと挑んだ今シーズンだが、まだ選手がそれに応えられていない。
若いチームの印象が否めず、1戦1戦成長していかないと苦しいシーズンになってしまう。

【4季ぶりのDiv.1復帰:龍谷大学シーホークス】
Div.1の舞台を経験していない選手ばかりになった龍谷大だが、このチームが'真の台風の目'になるかもしれない... 昨季2部リーグながら1138y走ったエースRB奥田(4年)とエースQB上西(3年)の2人は、初めて見た私も目を奪われた。問題は、特にRB奥田が完璧にマークされた時の他の選択肢であり、他の選手の奮闘だろう。
ピンチはチャンス!注目の選手だけでなく、チーム全員がヒーローになれる可能性を秘めている龍谷大。初めてのDiv.1の大舞台で思いっきり暴れて欲しい。


開幕からの2戦、結果は順当ながらも内容はまだまだ9月といったところ。 10月に入っての中盤戦がリーグの行方に大きく左右するのは必至である。嵐の幕開けとなった2011年関西学生リーグは、結末も嵐となるのだろうか???

1戦1戦熱さを増す学生達とは反比例するかのように、季節がさらに爽やかになる秋季リーグに皆さん是非お越し下さい!

尾山憲一アナウンサープロフィール
http://www.ytv.co.jp/announce/profile/oyama/index.html


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