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関西  2011.11.12

YTV尾山憲一アナが見た関西学生アメフット ~第5 節を終えて~

2011 関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1 ~第5 節を終えて~

讀賣テレビ放送・尾山憲一アナウンサー

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『 嵐の中盤戦 』
やはり嵐の関西リーグだった...
序盤2試合を終え、10月に入った途端に波乱が起こった。
今季、復活が期待された京都大学が同志社大学に0-7で敗れたのだ。
この一戦は「京同釜」と銘打たれている京都の大学同士の定期戦でもあり、序盤戦やや元気のなかった同志社の選手達はこれまでとはまったく違った姿での戦いだった。

しかし、京大はこの1敗だけに止まらなかった...
その2週間後、4年ぶりのDiv.1復帰の龍谷大にも28-28で引き分けたのだ。
14点差を守りきれず、しかも、残り3秒で龍大がFGを決めればサヨナラ負けだった展開。
スタンドで観戦していた龍大OBからは「よくやった!」と称賛の声が相次いだが、最後にキックを外し大金星を逃したキッカーだけは涙にくれていた。

その他の上位校はこの中盤2試合、ほぼ順調な戦いだった。
王者立命館は甲南大に70点・神戸大に78点と爆発的なオフェンス力を見せつけた。
特筆すべきポイントはオフェンスラインメン。5人の平均身長182.6cm・平均体重121.4kg。
この要塞を崩すのは簡単ではなさそうだ。

過去3年間甲子園ボウル出場を逃している関西学院大学。
関学らしからぬ小さな反則が相次ぎ、鳥内監督や松岡主将に一切笑顔はなかった。
しかし、KGの意地を見せた試合があった。甲南大との戦いではなんと80点を取ったのだ。
関係者は否定したが、2週間前に立命館が取った70点を意識的に上回ったのではないかと感じたほどだ。

少し気になるのが関西大学。
板井ヘッドコーチが危惧していた「危機感のなさ」が中盤戦でも表れていた。
開幕から4戦全勝はキープしたものの一抹の不安を感じざるを得なかった。
試合と試合の間の2週間の取り組みの甘さにも言及した板井ヘッド。
特にオフェンスは若さが否めないが、RB前田・WR高崎ら能力とセンスを兼ね備えた選手がいるだけに、もうワンランク上へ進むための奮起を期待したい。

『FINAL STAGE 3』
今季は10月29日(土)第5節からのリーグ戦残り3節を「FINAL STAGE 3」と銘打って2011年シーズンのラストを盛り上げることになった。
       
関西大学 ● 3 - 17 ○ 関西学院大学

関大にとって、一昨年関学を破り一気に頂点へたどり着いた相手であり、昨季はリーグ戦では敗れたものの、プレーオフではタイブレークで勝利し西日本代表校決定戦まで上り詰めた相手。
逆に言えば、関学にとって近年強さを増した関大に、これ以上辛酸をなめるわけにはいかなかった。
4戦全勝同士の対決とあって、試合前から緊張感とOBやファンの期待感が高まっていた長居第2陸上競技場。試合前のハドル。関大は部訓を叫び、関学は部歌「Fight On Kwansei」をこだまさせた。
その緊迫感とおりの展開で試合は進み、ロースコアのまま結局17-3で関学が勝利を収めた。
両チームともディフェンスの奮闘が目立ったが、私が注目したのは関学K/P#3大西(4年)のパントの精度の高さだった。彼のパントのおかげで関学は終始フィールドポジション優位に試合ができた。前節の甲南大戦はシリーズ全てでスコアリングしたため試合中にパントを蹴ることがなかった。これからの勝負の戦いではパント等のキッキングがモメンタムを大きく左右するだけに、この成果はチームにとっても、大西選手自身にとっても好材料といえるだろう。
一方、全勝対決に敗れた関大の若き主力選手の1人RB前田選手は唇を噛み締めた。チームで1番の67y走ったもののTDに結び付けらず。そして敗戦の現実を真正面から受け止めた。東海大仰星高校では野球部に所属し、アメフトを始めてまだ1年半。彼の人生の1ページに「悔しさ」が加わった。来年以降の関学戦での前田選手から目が離せない。

立命館大学 ○ 10 - 0 ● 京都大学

4戦全勝の立命館とまさかの1敗1分となった京大の対決。
15年ぶりの優勝が極めて苦しくなった京大だが、2000年@西宮スタジアム以来11年ぶりの立命館越えを狙っていた。
試合前の京大ロッカールーム...
閉ざされた一室の中からは気合の雄叫びが何度も何度も響き渡った。
フィールドに出てきた選手の中には涙が光っていた者もいた。
その気迫通り、京大ディフェンスはリーグNO.1の得点力を誇る立命オフェンスを苦しめた。特に4人のDLが強固な壁となり、中央のランプレーはほぼ封じられた。その結果、ランは左右に散らさざるを得ず、パスも的を絞られ、最後の最後に攻撃を詰め切れない流れとなった。
立命も京大もFGを失敗する歯がゆい展開の中で風穴を開けたのが2年生RB#21井上の84yビッグゲインだった。自陣8yから敵陣8yへ一気に形勢逆転させた個人技に西京極が沸いた。京大守備陣も踏ん張り、このチャンスTDにはならなかったが19yFGに成功し、ようやく試合が動いた。京大も残り1:49を有効に使い、残3秒で46y同点FGトライとなったが、またもや外し前半終了...手負いの京大が意地を見せ3-0での折り返しとなった。
後半に入り、鉄壁な京大ディフェンスを何とかこじあけようと、立命はQB谷口のキープで突き放そうとしたが、ゴール前でその谷口が負傷するというアクシデント...QBキープはハイリスクな作戦なだけに、立命の今後が気になるところだ。ただ、代わって入ったバックアップQB#12荒木(3年)がTDを奪い、立命が点差を広げた。
一方の京大オフェンスは4年生QB#17今村の不調が響いた今季、前節から登場した2年生QB#19小原も立命ディフェンスの分厚い壁にここぞでパスを通させてもらえずに得点を奪えず。11年連続での立命館戦敗退が決まった...

★入替戦には行きたくない...
この時期になると下位校が意識するのが、リーグ7位と8位が出ることになる入替戦。
今季は、第5節までに、同志社1勝、龍谷1分け、神戸・甲南はまだ勝利なしだった。
29日(土)先に神戸大が同志社に勝利しようやく今季1勝目、30日(日)には甲南大が勢いのある龍谷大に勝利し1勝目。1勝で同志社・神戸・甲南の3校が並び、龍谷だけがまだ1勝できずの展開。
非常に申し訳ないが、上位校との力の差は歴然としているが、下位同士の戦いは見ていても面白い試合展開である。残り2試合...この4校同士の戦いはまた別の意味で熱くなる。

『いよいよ終盤戦・・・勝負の11月』

優勝の行方はこの3校に絞られた。
京大との激戦を制し全勝を守った立命館の米倉ヘッドコーチは「ここまでくると内容より結果です」と話した。主力選手にケガが出たことが気になるがリーグ屈指の層の厚さで乗り切るはずだ。
関学もあくまでも「ラッキーな勝利」だったことを強調し、リベンジの秋本番へ向け一切の油断はない。
あとがなくなった関大も、昨季プレーオフ決勝で敗れた立命戦へ気持ちを切り替えている。
関学戦になると違う姿に変身する京大にも要注意だ。

秋が深まるということは、関西学生リーグがもっとも熱くなるということ。
嵐はまたまた吹き荒れるのか???
残り2試合の選手・関係者の戦いから目が離せない...

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