west02関西代表注目選手

関西代表・立命館大学


RB#22 山嵜大央(4年)

主将であり、絶対的エースでもあるRB山嵜大央。抜群のスピードと屈強なフィジカルを活かし、強力なオフェンス陣を牽引している。今季は関西学生リーグの最優秀選手に選出され、リーグ優勝、そして9年ぶりの甲子園ボウル出場に大きく貢献した。

大阪産業大学附属高校出身の山嵜は、高校3年生の際、準決勝で患った負傷の影響もあり、関西大会決勝で思うようなプレーができずに敗北。高校日本一を果たすことはできなかった。「今思えば良い経験になった。高校で日本一になっていたら、大学でこんなにも燃えることができなかったかもしれない」。憧れの西村七斗選手を追って、立命館大学への進学を決めた。

2回生の頃から出場機会を得ると、「プライドや自覚を持てたシーズンだった」と振り返るも、日本一を達成することはできなかった。自分を変えるために「ハードワーク」を続けるも、昨年の関学大戦でファンブルをしてしまう。「『心・技・体』の『心』の部分が備わっていなかった。自分自身が変わるきっかけになった」と昨年の経験を成長への礎とした。

そして主将として迎えたラストイヤー。「チームのみんなや、OB、OGの方々、立命館大学という大きなものを背負っている。だが、気負いすぎずに自信をもって、周りの味方を信じてプレーしている」とメンタル面での成長を実感している。「心の部分で大きな余裕が生まれた」ことが、山嵜の活躍に繋がっている。

いよいよ大一番の甲子園ボウルを迎える。「最高の準備をする。オフェンス、ディフェンス、キッキング全員が最高の試合をする」。長年目標としていた日本一へ向けて、闘志みなぎる主将のプレーに注目したい。

記事:立命スポーツ編集局 横川聖樹
写真;立命スポーツ編集局
https://www.instagram.com/ritsumeisports/

QB#5 竹田剛(4年)

「一球一球にこだわり、想いを持ってボールを投げる」。今季、急成長を果たした立命館の絶対的司令塔・QBの竹田剛。立命館の超強力オフェンス陣の中心として、特には自慢の肩を見せるロングパスへゲインを狙い、時には自らがスペースに走り込むランでチャンスを広げる。今季はパスの成功率や指標が大幅に上がり、名実ともに関西学生を代表するQBへ成長した。今季の関西学生Div.1ではベストイレブンに輝き、また、優秀攻撃選手賞も獲得した。


そんな一歩ずつステップアップを続けてきた竹田だが、大学アメフトは順風満帆だったとはいえなかった。関西の名門・大阪産業大学附属高校から立命館の門を叩き、1回生から出場機会を得ると、2回生では実力者の先輩からポジションを奪い、スターターQBとしての出場機会も増えた。しかし、リーグ優勝に向け負けられない関学大戦。「自分の実力不足で負けた」と振り返る竹田。オフェンスが抑え込まれ、悔しい敗北を喫する。


今季はその悔しさを胸に、「インターセプトされないQBらしい選手になり、パスも一球一球にこだわる」と猛練習を重ねた。リーグ戦の関大戦では気負いすぎて敗北を喫してしまったとも語るが、以降はアメフトを楽しむことを第一に考えているという。関学大戦では先制に繋がるロングパスなどでリーグ連覇に大きく貢献。また、全国大会準決勝では自らのランプレーで2つのTD。全国でも1試合ごとに成長を重ね、甲子園の舞台を自らの手で掴み取った。


「ビッグゲームが続き、オフェンスのみんなと時間を共有して信頼度も高まった。パスも全部通ると思って投げられている」と、竹田は語る。「全員でもっと時間を共有し、勝利を掴みたい。そして一握りしか立てない甲子園の舞台を楽しみたい」。立命館が誇る超強力オフェンスの司令塔として。3年生QBが、9年ぶりの日本一に導く。

記事:立命スポーツ編集局 酒井涼太朗 
写真;立命スポーツ編集局
https://www.instagram.com/ritsumeisports/

OL#78 森本恵翔(4年)

強靭な体でオフェンスの中心を担っているのがOL森本恵翔だ。高校までは野球部に所属していたが、甲子園には届かず。大学では憧れの甲子園の舞台に出場するという目標を掲げ、アメリカンフットボール部に入部した。長身を生かしOLとして下級生から試合経験を重ねてきた。


入部後はルールや戦術を覚えることで必死だったが、頼れるコーチやチームメイトに恵まれ、成長することができた。関大戦前の取材では、「QBの竹田は右利きなので左からのラッシュを止めることを意識している。ブロックしてフィニッシュまで持っていくところに注目してほしい」と話していた。迎えた関大戦では、流れを持って行かれてしまい、立命館らしいプレーができなかった。最終節では、関西学院大学と対戦。攻守が躍動し、2019年ぶりに関学大に勝利を収め、関西一位で全国トーナメントに進出することとなった。


準々決勝では東北大に完勝し、勝てば甲子園ボウル出場が決まる準決勝。相手は関大に勝利した早稲田大学だった。試合開始直後からOLが力を見せ、前半5回の攻撃を全てTDまで持ち込み、攻撃陣が躍動した。後半も着実に得点を積み重ね、9年ぶりの甲子園ボウル出場を決めた。


攻撃陣が序盤から力を発揮できた要因として、「パスとランの組み合わせがよく、全員が落ち着いてプレーできていた」と振り返った。甲子園の舞台に立つことに対しては、「甲子園は目指していた舞台だったので出場することができてよかった。相手は法政大学で、関西学院大学が敗れているというところで、しっかり僕らがたくさんの想いを背負って勝負に挑みたい」と話した。試合への意気込みとしては、「細かいミスが多いのでそこを潰して隙のないチームを作りたい」と大学ラスト試合に向けてチームを引き締める。

今年のシーズンも甲子園がラスト試合。立命館としては9年ぶり、森本にとっては野球を始めた時から憧れた甲子園の舞台で有終の美を飾る。


記事:立命スポーツ編集局 小豆澤海斗
写真;立命館大学パンサーズ
https://www.instagram.com/ritsumeisports/

LB#44 大谷昂希(4年)

今年副将を務めるLB大谷昂希。今季は関西学生リーグの優秀守備選手とベストイレブンに選出された。鋭い読みと、力強く正確なタックルで、立命館のディフェンスを支えている。

大阪産業大学附属高校出身の大谷。高校時代は主将を務め、日常生活の部分で常に見本になるように心がけていたという。アメフト面では「自身より知識の詳しい山嵜大央に助けてもらっていた」と、仲間と二人三脚でチームをまとめていた。

アメフトを始めた小学生の頃から立命館の臙脂のヘルメットが印象に残っており、「立命でプレーしたい」という思いがあったという。立命館進学直後は新型コロナウイルスの影響もあり、難しいシーズンを過ごしたが、「自分で時間を作り、考えて練習をした年だった」と振り返る。

副将としてチームをまとめる立場になり、「目を配る部分が増えた」と苦労を語るも、「周りを見てフォローしながら練習している」とチームを俯瞰的に見ることを心掛けている。また、今年のチームについて、「学年関係なくお互いに指摘しあっている。1回生に良い選手が多く、上回生の刺激になっており、アメフトに取り組む姿勢を高く持てている」とチーム状況を分析する。

今季は開幕から全試合でスタメン出場すると、第3節の近大戦では2つのQBサックを決め、大谷を中心に近大のオフェンスを封じ込める。最終節の関学大戦でも粘り強いディフェンスで勝利に貢献。2年連続のリーグ優勝を果たした。

全日本大学選手権準決勝の早稲田大戦では、序盤から点の取り合いになるも、オフェンス陣が奮闘。5227で勝利し、甲子園ボウル出場を決めた。「個人としては悔いが残り、素直に喜べない試合だった」と冷静に振り返る。

 

日本一まであと1勝。「やっと夢の舞台である甲子園に立てる。絶対に勝ち切る。最高の準備をして全力に挑む」。守備の要が、甲子園という大舞台で躍動する姿に注目だ。

 

記事;立命スポーツ編集局 横川聖樹
写真;立命スポーツ編集局
https://www.instagram.com/ritsumeisports/

DB#6 橋本龍人(3年)

ボールへの反応が早く、ビックプレーでチームに勢いを与えてきた。165センチと小柄ながらフィールド上ではダイナミックなプレーを見せるのはDB橋本龍人だ。

関西の強豪大阪産業大学附属高校でアメリカンフットボールに出会った。高校入学まではサッカーをしていたため、そのままサッカーを続けようとしていたという。母の知り合いの勧めでアメフトを始めることとなる。経験者ばかりのチームで、同じポジションの選手にルールやポジションの役割を聞くところからのスタートだった。高校2年次の関西決勝では、立命館大学でもチームメイトとなる1学年上の山嵜大央(済4)の代わりに出場した。負けてしまったが、活躍できたことから印象に残っているという。

進学した立命館大学では一年時から試合に出場し、試合経験を積んだ。印象に残っている試合として昨年の関大戦をあげた。第4Qに見せた2つのインターセプトは、チームの勝利を決定づけた。今季リーグ最終戦では高校も含めてリーグ戦で一度も勝てていない関学大戦。関学を倒して全国に出るという目標の通り、関西一位で全国大会を決めた。

ボールへの嗅覚を発揮したのは全国大会準決勝の早稲田大学戦だった。試合全体を通して関西にはないセットバックの守り方には難しさを感じていたという。しかし、第3Q始め、早稲田のパスプレーに素早く反応し、攻撃に勢いをもたらすインターセプト決めた。このプレーについて橋本は「今日はインターセプト一本できたが、一本TDを取られてしまった」と自身のプレーに悔しさを滲ませた。この試合では攻守共に集中力を保ち、チーム一丸となった勝利であると言えるだろう。

次は9年ぶりに甲子園の舞台に立つ。相手の法政大学はパスプレーの印象が強く、橋本の守りが鍵となるだろう。「甲子園では3つインターセプトして日本一になります」と意気込みを語った。流れを断ち切るビックプレーで日本一を呼び込む。

記事:立命スポーツ編集局 小豆澤海斗
写真;立命スポーツ編集局
https://www.instagram.com/ritsumeisports/

DB#2 今田甚太郎 (3年)

素早い出足と力強いタックルで、一対一の状況では絶対に負けず、得点を許さない。今季からはディフェンスの最後の砦・セーフティのポジションを任される男が、DBの今田甚太郎だ。


東京都の強豪・駒場学園高校から立命館に進学し、DBとして1回生からリーグ戦で実戦経験を積む。2回生からは背番号「2」を着け、スターターとしても出場するようになった。ここぞという場面にハードタックルで相手を止めたり、インターセプトを取ったりなどの流れを変えるプレーができることが自身の持ち味だと語る。今季も関西学生Div.1でリーグ優勝した立命館のディフェンスを支え、要所でチームを支えるプレーを見せてきた。全国大会でも今田はチームを救う。準決勝の早大戦では、第4Q残り3分から立て続けに2つのインターセプトを取り、甲子園ボウル出場を決定的なものにした。今田はこのインターセプトについては、「ラッキーボールだったから上手く取れてよかった。集中できていた」と語る。試合終盤になっても集中力が切れずに、後半、一度は相手に向かいかけた流れを引き戻すビッグプレー。まさに今田の持ち味を体現したビッグプレーだった。


早大戦では自分の経験上初めてとも語る、一対一で抜かれてTDを許してしまうシーンもあり、悔しい思いもしたと言う。しかし、「ディフェンスのみんなはすぐに励ましてくれて、みんなで楽しくディフェンスをやりきれた」と、チーム全体がよい雰囲気で進んでいることも口にしている。


今田にとって初めての甲子園。自身も野球少年だった経験があり、「甲子園はずっと夢の舞台。その夢がようやく叶う」と笑顔を見せる。しかし、既に今田は先を見据えている。「新たにできた、甲子園で日本一になるというもうひとつの夢を叶えたい」。今田にできたもうひとつの夢。集中力を研ぎ澄ませたビッグプレーを武器に、聖地でその夢を叶えるに違いない。


記事:立命スポーツ編集局 酒井涼太朗
写真;立命スポーツ編集局
https://www.instagram.com/ritsumeisports/