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トピックス  2011.12.22

日本大フェニックス、かく戦えり。

「赤と青」のユニフォームで戦う22年ぶりの伝統の一戦は、3万5000人を越える大観衆が見守る中で行われ、関学大に凱歌があがった。

日本大にとってこの試合では大きな誤算が3つあった。


1つ目は『ランプレー』。
   これまでの日本大オフェンスは、伝家の宝刀であるショットガンフォーメーションから爆発的な得点力を示してきた。しかし今春からはランを中心としたパワープレーに取り組み、このニューフェニックスオフェンスで明治大、早稲田大、法政大など、関東の並みいる強豪を征し、東日本代表校として4年ぶりの甲子園ボウルに駒を進めた。

「法政大に勝ったのもランプレー」と、主将RB岡部サトシが胸を張るニューフェニックスオフェンス。しかし試合前に「関学大DLを突破できれば」(岡部主将)と警戒していた。その不安が的中した。
学生界屈指の日本大オフェンスラインは、関学大の誇る副将・長島義明、梶原誠人、池永健人をはじめとするDL陣に破壊され、RB陣が繰り出すランプレーをことごとく粉砕されてしまった。
 その結果が、日本大が26回試みたランプレーで獲得したのはわずか47ヤード。1回あたり1.8ヤードに終わった。

 試合後、「ランが出ていれば違う展開に持ち込めたはず」と、岡部主将は唇をかんだ。田中芳行コーチも「ランプレーを出せなかったのが最大の敗因」と分析した。

   2つ目は『ターンオーバー』。
   後半開始となる第3Q最初の攻撃シリーズ。テンポよくオフェンスを進めたフェニックスだが、QB安藤和馬が投げたパスを関学大LB池田雄紀にインターセプトを喫した。
試合のモメンタムを掴みかけながら、流れを変えることができなかった。このインターセプトを含め、日本大はターンオーバーを3回犯した。反対に関学大は0回だった。
大試合では、ミスが致命的な結果につながる。これまでの戦いで日本大は試合中のミスをバネにし、選手全員でカバーしてきた。しかし試合巧者の関学大はそのミスを得点に結びつけ、日本大にプレッシャーを加え続けた。

3つ目は『キッキング』。
   第2Q、大学フットボール界の年間最優秀選手賞(チャック・ミルズ杯)を、キッカー/パンターとしては初めて受賞した関学大の大西志宜が蹴ったパント。「バックスクリーンあたりは強い風が舞い、捕球が難しい」ことを知っていた大西。思惑通りに回転のない高い球を蹴りこみ、日本大リターナーのマフを誘った。これを関学大がリカバーして、ゴール前2ヤードからのオフェンスを獲得。主将RB松岡正樹が2本目のTDを奪った。
 大西は、日本大陣奥深くに蹴り込む絶妙なパント9回蹴り356ヤードを獲得した。うち40ヤード以上のパントは、5回を記録している。
 オフェンスの総獲得ヤードでは、日本大が関学大を37ヤード上回っているが、「キックの差があった」と日本大・森琢ヘッドコーチが認めたキッキングの出来が、勝負を分けたともいえよう。

関学大と日本大は1955年に行われた第10回大会に初対戦して以来のライバル同士である。そして甲子園ボウルで激闘を演じ、甲子園ボウルの歴史を刻んできた。これからも未来永劫にわたって宿敵である。
 07年の甲子園ボウルが長居陸上競技場で行われた時は、関学大が勝利しているが、聖地・甲子園球場で日本大に勝利するまでに関学大は34年間を要した。関学大の鳥内秀晃監督が試合後に「やっと。ほんまに」と感想を漏らしたのは、まさに感極まった言葉だろう。

関学大は日本大に対する勝利の執念を今大会でも見せつけた。甲子園ボウルで日本大が関学大からTDを奪えなかったのは、実に55年ぶりのこととなる。フェニックスの学生王座奪還は、フットボールファンの願いでもあろう。その使命は重い。

記事;福武金二
編集;畠中隆好(OfficeNEAR/甲子園ボウルPJT)
写真;毎日新聞社
 
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