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関西  2011.12.03

YTV尾山アナが見た2011関西学生最終章『 最後も嵐が・・・ 』

2011関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1 ~リーグ戦を振り返って~
最後も嵐が・・・ 』 讀賣テレビ放送・尾山憲一アナウンサー

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2ヶ月に渡り激戦を繰り広げた関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.I 3年ぶりの全勝対決となった立命館大学 vs 関西学院大学のリーグ最終節 松岡主将を中心にチームが1つになった関西学院大学が4年ぶりに関西を制した。
勝った戦士達(Fighters)には歓喜の涙が・・・敗れた黒豹達(Panthers)には無念の涙が・・・ ただ、そこには死力を尽くして戦った者同士の清々しさもあった。
その一方で、同じ日、関西だけでなく日本のフットボール界に衝撃が走った。 京都大学を率いてのべ36年、「打倒関学」を合言葉に強者に立ち向かってきた水野弥一監督が退任を口にしたのだ。 すでに3敗し15年ぶりの優勝はなくなった京大は最終戦で関西大学と対決。 攻守に渡り、戦術だけでなく気持ちも見せたギャング達。 その後我々が知らされる事実を胸に秘めながらのプレーだった気がしてならない。
実は関学戦の前に、水野監督は米アップル社の故スティーブ・ジョブズ氏の言葉「 Stay foolish 」を引用しながら昨今の京大生の気 概を嘆いておられた。 推薦枠がなく、毎年いちからチームを作り上げねばならない国公立大の宿命と戦い続け、リーグ優勝10回:甲子園ボウル優勝6回: ライスボウル制覇4回という偉業を成し遂げた背景には、水野監督自身がジョブズ氏に先駆けてまさに「 Stay foolish 」だったのだと 推測できる。
止めることなど不可能と思われていた関学一強時代に「 関学を倒す 」と宣言し、76年に関学の公式戦連勝を145で止め、82には 関学の甲子園ボウル出場を33でストップさせ聖地甲子園へ出場したことがすべてを物語っている。
後任は現ヘッドコーチの西村大介氏。 来季から、水野イズムを継承しつつ、現代感覚のスパイスを加えた新しい京大を見せてくれるに違いない。


『 FINALSTAGE3 』
立命館大学 ○ 10 - 6 ● 関西大学

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去年一昨年と激戦を繰り広げた両校、今季も一進一退の攻防だった。 第5節の京大戦でケガを負った立命館エースQB谷口はこの試合スターターを務めるも、開始早々、エクスチェンジミスからのファンブ ルをカバーする際にハードヒットを受け退場...代わった荒木・山口らが必死のオフェンスを見せるもなかなか得点に結び付けられない。 一方の関大も今季を象徴するように攻め手を欠いた。激しいディフェンス合戦の末、最終Qで逆転タッチダウンを奪った立命館が全勝 をキープした。




関西学院大学 ○ 12 - 3 ● 京都大学

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11月13日に行われた伝統の一戦。この日は両校にとって重要な意味を持つ日だった。 76年、水野監督率いる京大が初めて関学を破り公式戦連勝を145で止めた日... 77年、下馬評を覆し逆転勝利を収めた関学サイドが「涙の日生」と語り継いでいる激戦...
京大はここまで2敗1分と優勝がなくなった。ただ、こういう時の京大ほど関学に牙を剥いてきた。一方の関学は04年や09年を教訓 に一切の油断はなかったが、試合は京大の強力ディフェンスの前に関学は攻撃を詰めきれずFGシチュエーションばかり。キッカー大 西は1本外したものの確実なスコアリングとパントの正確性で試合を優位に展開した。試合前に西村HCが「真っ向勝負する」と宣言し ていた京大は、中央へのランプレー中心のオフェンス。2年生パサー小原がいつパスを投じるのか?不気味であったが、気がつけば 点差がつきパスを投げざるを得ない状況になり、こちらも攻め手を欠いた。 1946年から激闘を繰り広げた両校による宿命の対決の中で、両校FGのみによる決着は89年の3-3ドロー以来だろうか?勝った 関学も全勝を守り、4年ぶりのリーグ優勝へ王手をかけた。

京都大学 ○ 44 - 20 ● 関西大学

374785_255956364460809_116316541758126_737267_638123010_n.jpeg前節、宿敵関学に敗れた京大とリーグ3連覇を逃した関大の今季最終戦。両校とも守備陣は強力なため、攻撃陣がどれだけ奮起する かが焦点だった。 このままでは終われない京大は関学戦とは違いエースWR上廣中心のパス攻撃を軸にエースRB高木のランなど、6TD1FGとつか んだチャンスは放さなかった。関大はRB前田とWR高崎の2年生コンビが奮闘したもののミスも重なりオフェンスは機能せず...今年 味わったこの悔しさを腹に据え、来季の奮起を期待したい。 そんな中、勝利を目前にした京大は残り2秒でわざわざタイムアウトを取った。QBの位置に入ったのは4年生QB今村だった。今季エ ースQBとして開幕したものの、不振とケガがあり後輩にその座を譲っていた。その2秒を消費するためのニーダウン...足をギプス固 定しているため膝をつくと言うより倒れこんだ形だったが、彼は4年間をこの2秒に凝縮した...
試合後伝えられた名将水野監督退任の報... 足を掻き続け、ブロックとタックルにすべてをかけた選手のプレーは、自身の存在意義の確認と水野監督への贈り物だったのかもし れない。






立命館大学 ● 7 - 37 ○ 関西学院大学

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全知全能を尽くし、日本のカレッジフットボール界最高峰の戦いと言われるこの両校の一戦。 今年は3年ぶりに全勝同士の最終戦対決とあって、決戦の舞台となった長居スタジアムは両校ファンで埋め尽くされた。 この一戦を関学主将松岡は特別な想いで迎えていた。昨年、自身のファンブルから劣勢になり敗れた事を1年間心に刻み込みチーム を引っ張ってきたのだ。その集大成となる試合、松岡のキャプテンシーに賛同した4年生は全員が再び頭を刈り上げて臨んだ。
予想通り、試合は両校ラインが激しくぶつかり合う展開の中で、関学3年生QB畑は非常に冷静だった。プレーが崩れても落ち着いて パスを投じたりスクランブルを敢行。立命DLのプレッシャーを想定して練習していたと思われる。また、WRも球際に強く何度もスタジ アムを沸かせた。一方10点を追う立命は徐々にリズムが出てきた直後のFGトライでこの大一番に緊張したのか?2年生佐伯が失敗 ...さらに関学をパントに追い込んでいながら、ラフィングザキッカーの反則で攻撃を続行させてしまい、それがTDに結びついてしまう など気合空回りの印象が否めなかった。
僅差の予想に反して20-0関学リードで前半を折り返す中で1つだけ気になったのは、終了間際に立命QB谷口が得意のキープをし た際、関学守備リーダー香山が一発で仕留めたハードヒットでどこかを痛めたこと...後半に入りやはり2番手QB荒木が登場したが、 続けざまにインターセプトを喰らい、流れは完全に関学ペース。さらに荒木はサックを受けた際に負傷し退場、3番手QB山口が投入された。幼少時からピアノ奏者だった2年生山口はその繊細な指先からきれいなパスを投じ、1本インターセプトされたが、84年の0 -10以来27年ぶりの完封負けを阻止するTDパスを通した。
思わぬ点差がついて関学が4年ぶりの単独リーグ優勝を飾ったが、素人目には紙一重に映った。 ただ、勝った関学が「強かった。展開がよかっただけ」と謙虚に振り返れば、敗れた立命館は「完敗でした」と潔く敗戦を認めた。学生 生活が終わった立命QB谷口も悔しさをにじませながらも「ほんの少しではない力の差を感じた」と唇を噛んだ。その横で2年生キッカ ー佐伯が流れる涙をどうやっても止めることができずにいた。 悔しさから始まった関学が歓喜の涙に沸き、敗れた立命の涙は1年後の歓喜に向けてのスタートを意味する。こうやって歴史は作られていくのだ。
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