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トピックス  2012.02.02

甲子園ボウルの放送を終えて〜NHKアナウンサー 三浦 拓実〜


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第66回甲子園ボウルの実況を担当したNHKアナウンサーの三浦拓実です。

今回、NHKでは、15台のカメラを使って試合の模様を中継しました。通常の野球中継やサッカー中継で使うカメラは10台前後ですから、比較的規模の大きな中継です。スタッフの数は50人以上。激しさやスピード感、また互いの駆け引きなど、フットボールならではの面白さと魅力をお伝えしようと、スタッフ一同努力しました。通常の実況放送に加え、副音声では、ルール解説やフットボールの楽しみ方を中心とした内容の放送もお送りしました。

試合が終わって時間はたちましたが、今も印象に残っているのは、あの日、甲子園球場を包んでいた、何ともいえない雰囲気です。

試合開始の3時間前にスタッフが集まって打ち合わせをしたのですが、その時にはすでに大勢のファンが甲子園に詰め掛けていました。昔のOBの方たちなのでしょうか、再会を懐かしむような姿も見られます。どの顔も期待に満ちあふれていて、みなさんこの日を心待ちにしていたようでした。
そして、両チームの選手入場。ブラスバンドと大声援に後押しされフィールドに駆け込んできた姿を見たときには、放送中にもかかわらず、思わず身震いしました。単なるフットボールの勝負ではない、母校の歴史やプライドをかけた戦い。「ああ、これは学生日本一決定戦を超えた、特別な試合なのだ・・・」と、改めて感じた瞬間でした。

さまざまな見どころがあった中で、私は、日大の攻撃陣と関学の守備陣との対決に注目していました。ラン攻撃を積極的に取り入れるスタイルへと変化した日大がどんなプレーを展開するのか楽しみでしたし、そこに関学の守備はどう対応するのか興味がありました。試合前は、体格に勝る日大の攻撃陣ほうがやや有利なのではと考えていたのですが、実際は違いましたね。低く鋭いタックルでしっかりと相手を止め、大きな前進を許さなかった関学の守備陣は見事でした。ライン戦でも体の大きな日大の選手たちにプレッシャーをかけ続けていましたし、パス攻撃への対応もすばらしかったと思います。

前半は苦しんだ日大ですが、3Q最初の攻撃には日大らしさを感じました。テンポ良く進む様子を見て、これで流れをつかんだと思ったものです。あそこで得点を挙げることができていれば、試合は全く違った展開になったでしょう。そうした意味でも、関学の池田選手のインターセプトは大きなプレーでした。私がフットボールの放送を始めたころ、ある解説者の方に「大きな試合になればなるほどキッキングとターンオーバーが勝敗を左右する」と教えていただいたことがあるのですが、前半のパントのファンブルを含め、今回もまさにそうした試合になったと思います。

甲子園ボウルが全日本選手権になって3年。東日本からは法政・早稲田・日大、西日本からは関大・立命館・関学と、出場チームは毎年異なっています。東日本大震災を乗り越え日大に挑んだ仙台大や、関学相手に思い切った勝負に出た中京大の戦いも見事でした。2012シーズン、混戦を勝ち抜き、甲子園の芝生の上に立つのはどのチームなのでしょうか。今から楽しみでなりません。

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