2020-11-30

【関東決勝】日大RB川上3TDランの活躍 粘る桜美林大を振り切る

11月29日、アミノバイタルフィールドで行われた関東大学1部TOP8順位決定戦(1・2位)は、日本大学(Aブロック3勝)と桜美林大学(Bブロック2勝1敗)が対戦。日本大学が38対14で勝利し、関東大学1部TOP8・1位として甲子園ボウル出場権を勝ち取った。

ブロック戦では攻撃が好調だった日大だが、飯塚飛人、山本力矢(共に4年)、OLB清水友哉(3年)ら関東随一のLB陣を揃える桜美林大の守備に大苦戦を強いられた。最初の攻撃機会は3ダウン&アウト、2回目の攻撃はゴール前5ヤードに迫りながらファンブルロスト。第1Q終盤に得た敵陣45ヤードからの攻撃をQB林大希(4年)からWR林裕嗣(4年)への16ヤードTDパスで先制したが、直後に桜美林大WR福田亮佑(3年)に95ヤードキックオフリターンTDを許してすぐに振り出しに戻った。

第2Q4分12秒にK福岡勇斗(4年)が25ヤードFGを決めてリードした。しかし、直後の桜美林大の攻撃機会にQB水越直(1年)からWR宮澤稜(2年)への68ヤードTDパスを決められて4点を追う展開になった。
前半残り4分31秒から始まった攻撃機会には、ゴール前25ヤードまで進んだところでQB林(4年)が負傷退場。このアクシデントに燃えたのが日大RB川上理宇(4年)だった。

このシリーズを自らの10ヤードTDランにつなげて再逆転。第3Q終盤には、桜美林大のパントが短くなって得た敵陣38ヤードからの攻撃を、第4Q開始45秒に4ヤードTDにつなげて2ポゼッション差をつけた。林と交代したQB小野祐亮(4年)も奮起した。DB真鍋開陽(1年)のインターセプトで得た敵陣36ヤードからの攻撃機会を、守備のカバーを読んでベンチから入ったプレーコールを変更。WR林(裕)への3ヤードTDパスにつなげた。

第4Q終盤には追い上げを狙い自陣でのギャンブルを強いられた桜美林大を日大守備が止めてゴール前19ヤードからの攻撃機会を獲得。これをRB安中天寿(2年)がゴール前1ヤードに運び、川上の3つ目となるTDにつなげた。
「安心感が一番。リーグ戦中に負傷した主将の伊東(慧太/4年)に、今日、途中で負傷した仲間を甲子園につれていくという気持ちが僕に力を与えてくれた。僕の走りでチームの勝利に貢献できたことが嬉しい」
17回93ヤード3TDの活躍だったRB川上は試合後に笑顔を見せた。

「なかなか思うようにいかなかったが、主将が欠場し、途中でエースQBが負傷した後に実力を発揮できたことにチームとしての成長を感じている。フェニックスとしてのスタート地点に戻ってくることができた。(甲子園ボウルで)学生界で一番強い関学と対戦できることをありがたく思っている。我々は挑戦者。どこまで食らいつけるかを楽しみにしたい」

日大・橋詰功HCは、厳しい状況を乗り越えて、3年ぶりの甲子園ボウル進出を自らの手で勝ち取った選手たちの成長に時折声を震わせながら、甲子園ボウルの関学大戦への抱負を述べた。

写真・文/上村弘文(ハドルマガジン)
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