2020-12-12

甲子園ボウル前合同記者会見〜日本大学(選手インタビュー)

甲子園球場では、12日(土)日本大学の選手5名が翌日に迫る“宿命”の決戦を前に意気込みを語った。

WR #25 林祐嗣(4年 佼成学園)

3年ぶりの甲子園は、「懐かしさよりも新鮮な気持ち」と心境を口にする。3年前に掴んだTDパスは「前半に捕れただけ。今年は終盤になってからも捕りたい」と明日の勝負所でのTDを誓った。より勝負強くなったきっかけはリーグ緒戦の法政大学戦だと話す。「練習してきたことをそのまま出せた。やってきたことを出せば勝てるイメージがもてた」と大舞台でも普段通りのプレーで勝利を呼び込む。

関西学院大の印象については、「大学を代表するチームだが、気負わずに戦いたい」と言いながらも「(たくさん後輩がいるので)後輩の前で恥ずかしくないプレーをしたい」と本音も漏らした。「自分が先頭に立ってチームを引っ張りたい。これまでやってきたことを表現したい」と明日への意気込みは十分だ。

RB #30 川上理宇(4年 佼成学園)

3年前の”事件”に新型コロナウイルスの蔓延。「甲子園でできることよりも今はフットボールができていることに感謝をしたい」と誰よりもフットボールができる喜びを語った。チームに怪我人が多く出たことには「一体感が生まれた。それが甲子園ボウルでかつイメージにつながっている」と勝利への道筋を示す。自身のこだわりも口にした。「三宅(関西学院大学 RB #21)より走って勝ちたい」ライバルへの対抗心も剥き出しだ。より成長するために今シーズンは走法にも改良を加えた。陸上選手の走法に近いものからラグビー選手のそれに近い走法へと変化させた。「ラグビーの福岡選手(パナソニック ワイルドナイツ)のような力強い走りをしたい」とRBとしての高みを目指す。「土のフィールドは少し固い。ランナーとしては理想的なのでロングTDも狙える」とDiv1トーナメント決勝の立川(立命館大学 RB #42)を見て自信を覗かせた。


DL 主将 #57 伊東慧太(4年 日大豊山)

「チームの雰囲気は甲子園ボウルが決まってから徐々に高まっている。明日に向けてさらに良くなっていくだろう」と堂々と現在のチーム状況を語った。甲子園ボウルは「戻ってきたなという感覚。経験してきたことは思い出して伝えてきた」とやれることはやってきた。「甲子園の土は想定内、チームも前向きだし、いいところに来れた」と充実感にあふれていた。

ディフェンスを率いる伊東は「ディフェンスが不安定で、オフェンスにおんぶに抱っこでここまで来ることができた」と悔しさも口にする。「(ディフェンスの)強みはフィニッシュ。最後までやり切る、しつこく押し返すプレーを。明日はディフェンスで勝ちたい」とDLとしてのエゴも押し通したいところだ。

「昨年、一昨年の先輩方が来るチャンスを得られなかった分も含めて、経験してきた3年間をぶつけたい」と3年ぶりの”聖地”にこみ上げる想いもある。「日大らしいフットボールを。やり切るやり通す、愚直なプレーを見せたい」主将として、一選手として。全力を尽くす所存だ。

 

DB #33 柴田和樹(4年 埼玉栄)

「(甲子園ボウルに)来ることができて素直に嬉しい」と3年間の苦しみを語った。「フットボールができないことが苦しかった」と振り返る。「2年間は挑戦するチャンスもなかった。挑戦するチャンスを掴めたことが嬉しかった」と喜び表現した。

相手の関西学院大学については「能力の高い選手たち」と最高の比喩を用いつつ「その選手たちを倒すために準備してきた」と負けるつもりは毛頭ない。特にマッチアップが予想される鈴木(関西学院大学 WR #4)については「レシーバーとは思えないパワー。明日マッチアップしてみて改めて止め方を考える」と警戒する。

 

QB #19 林大希(4年 大阪府立大正)

「今は懐かしいよりも新たな地に辿り着いた感じがする」と甲子園に到着してからの心境の変化を語った。3年前にも出場している林大希だが、3年前から一番変化したのは人間力だという。「人間力は誰にも負けない」と自信たっぷりだ。「3年前は怖いもの知らずだった。(今回は)いろいろ乗り越えてきた経験を活かしたい」と3年間での変化を期待させる発言だ。

先の関西学院大学の記者会見を見て「『完封~2,3本で』ということだったが、取れるだけ取りたい」と対抗心も燃やす。「奥野(関西学院大学 QB #3)よりも関学大ディフェンス」と意識の矛先は定まっている。

「個人的には長かった(フットボールを始めてから)16年間の集大成。相手にも恵まれたこの上ない舞台。フットボールの根源を楽しむ」と明日へ心躍らせる。コンディションについて聞かれると「出るのか、出ないのか。コンディションがいいのか、悪いのか。明日楽しみにしていてください」と清々しい顔で答えた。「明日は日大が勝つ日になります」と去り際に不敵に言い残す姿はなんとも頼もしい姿だった。

記事:沼田眞希
写真:KCAFL