東日本代表・日本大学フェニックス

フェニックスが帰ってきた。

悪質反則問題から再起し、3年ぶりに聖地甲子園に戻ってきた。コロナ禍による活動自粛など数々の試練を乗り越えた日大フェニックスが王座奪還を狙う。

2018年夏に監督、コーチ陣を一新し、チームの方針や練習内容も一変した。以前は多い日は10時間以上やることもあったが、橋詰功監督は選手の「自主性」を尊重する方針を貫く。練習はきっかり時間が決められており、メニューも分刻み。実戦的な練習が減り、基礎体力作りやミーティングを重視。固定的だったフォーメーションも、今は、目の前の状況を理解し、その場で次のプレーを考える流動性も備えている。

今年のチームスローガンは「一戦必勝」。常にチャレンジャーに徹し、丁寧に戦っていこうという考えだ。まずは目先のことから、練習はもとより、授業態度や寮での過ごし方、自転車の乗り方まで「全てがアメフットにつながっている」と考える橋詰イズムがチーム全体に浸透している。

オフェンスの主役はQB#19林大希。2017年には1年生ながらフェニックスを学生日本一へ導いた。橋詰監督指導の下、パスにより磨きをかけ、持ち前の俊足を生かしたランでも圧倒する。

QB林が絶大な信頼を寄せるWR#25林裕嗣との「林コンビ」が最大の強みだ。林裕がけがから完全復帰したことで、二人のホットラインが、チームを勝利に導いてきた。

タレントぞろいのRBユニットは橋詰監督も自信を示す。圧倒的なスピードと技術を兼ねそろえる#30川上理宇、ここ一番で高いパフォーマンスを発揮する#39秋元ミンジェ、力強い走りを見せる#26柴田健人が多彩なオフェンスを支え、関学の壁に挑む。

このRBユニットを活かすのが、副将#77郭宇寧率いるOLユニットだ。昨季主将の贄田時矢や副将三井太賀(ともに20年卒)などが抜けたが、強さは健在。基礎的な動きから徹底的に取り組み、技術面でもレベルアップしたことで、急成長した選手が穴を埋めた。さらにコミュニケーションを重視して、5人で一つのOLユニットが関学大ディフェンスを破り、道を切り開くことができるか。勝負のカギを握る。

一方、ディフェンスは昨年の主力が多く残り、ビックプレーで勢いをもたらす実力者がいる。主将DL#57伊東慧太は今季けがに苦しんだが、最後の大舞台で雪辱に燃える。ほかにもDL#99宇田正男やDL#56樋口斎らが強力なラインを構成し、関学大オフェンスの勢いを断ち切るつもりだ。

DBユニットも経験豊富な選手が多く残った。DB#33柴田和樹やDB#3岩崎匠、身長190㌢と恵まれた体格のDB#31小松泰登らに加え、1年生のDB#真鍋開陽が「最後までやりきる」ディフェンスで勝負に挑む。

LBは理解力や洞察力が求められるポジション。主力選手が卒業し、ポジション争いは横一線でスタートしたが、4年生のLB#44鈴木貫正やU19日本代表経験のあるLB#大沢海生、今季全試合スタメン出場のLB#81大江直也らが主導権をもたらせるか。

3年ぶりの聖地甲子園で赤青対決が実現する。両校の対戦は2018年5月の定期戦以来。エースQBの#19林大希は「運命だと思った。甲子園ボウルはチームの目標であり、戻るべき場所。全員フットボールを見せつけたい」と意気込んでいる。

思いをそのままに。よみがえれ不死鳥たち。

記事:柿沼真優(日本大学新聞社)
写真;日本大学新聞社
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