東日本代表・日本大学フェニックス

QB#19林大希(4年)

「仲間を信じてやってきてよかった」。甲子園ボウル出場を決めた瞬間、QB林大希の目に涙が光った。

桜美林大戦、第2Qに負傷してベンチに下がった。「降ろされたときは悔しさがあったが、仲間がいい試合をしてくれた。うれし涙です」と試合を振り返った。

攻撃の起点となる林大は、強肩からのパスに加え、ランでも敵陣に切り込む。小学校1年生から16年間アメフット一筋。日大ではエースQBとして1年から大活躍し、2017年の甲子園ボウルでは圧巻のプレーを見せ、史上初めて1年生で大会最優秀選手と年間最優秀選手に選出された。

「これまで乗り越えなければならない壁がたくさんあった。それを乗り越えた自信が僕たちを強くしてくれた」。今季リーグ戦ではパスを117回投げて75回成功。906ヤードを稼ぎ、9TDを導くパスを放った。

今春卒業した1年先輩の思いも背負っている。甲子園ボウルが見えないBIG8でプレーした中で、「僕たちを引っ張ってくれた。その思いも背負って1番にならなければいけない」と覚悟した。

甲子園ボウルは「戻るべき場所。3年間苦しかったけれど、全員の目標の場所でもある。全員フットボールをしたい」と意気込んだ。

記事:柿沼真優(日本大学新聞社)
写真;日本大学新聞社
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RB#30川上理宇(4年)

関東の王座を懸けた桜美林大戦。RB川上理宇の活躍なしでは甲子園ボウルの切符を手に入れることはできなかっただろう。

先制こそしたものの、白熱した戦いが続き、迎えた第2Q中盤。TDを奪われ、桜美林大に流れが傾きかけたが、第2Q終盤からRB川上の3TDで勝利を引き寄せた。

漫画「アイシールド21」を読んだことをきっかけにアメフットを始め、「もっとうまくなりたい、幅広い体育の知識を身に付けたい」との思いから進学。どんな状況でも冷静さを保ち、40ヤード走4秒45の速さと相手DFを分析する観察眼を武器に1年生で甲子園ボウルに出場。今季は5TDを決め、4TDのWR林裕嗣とともに日大の得点源だ。コロナ自粛期間は、元ラグビー日本代表の福岡堅樹選手の走法を研究し、習得することに力を入れた。そのかいもあり、「わずかな時間でトップスピードに乗ることができるようになった」と話す。

新体制になり、選手が自主的にチームを作っていく中で、自分の時間を作る重要性も感じた。フットボールの時間をより作るため、単位不足者の勉強会を開いたり、就職活動についても時間を作るよう下級生を指導した。

負けたら甲子園ボウルはないという緊張感の中、チームが一丸となって勝利をつかみ取り、見えない力を与えられた気がした。

甲子園では「厳しい経験を乗り越えた仲間とともに見応えのある試合と、勝利に貢献できるような走りをしたい」と抱負を語った。

記事:柿沼真優(日本大学新聞社)
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WR#25林裕嗣(4年/副将)

WR林裕嗣はここぞというときにTDを決める勝負強さを持っている。1年からWRとして活躍し、甲子園の舞台でTDを決め、学生日本一に貢献した。

甲子園出場後はけがに悩まされ、思うようにプレーできなかった。「どんな困難でも諦めなければ乗り越えられると思えるようになった」と、精神的にも身体的にも完全復活を果たした。

コロナ自粛期間は自分の体重で負荷をかける自重トレーニングに取り組み、持ち味のスピードを磨いた。初戦の法大戦、第4QでのTDレシーブ。試合終盤の大事な場面でTDを取れたことに「成長したな」と感じたと話した。林裕はこの試合、10回のパスレシーブに成功し、計124ヤードを稼いで勝利に貢献した。

「全国大会に出場したい」という思いから中学3年の秋にアメフットを始めた。佼成学園高校3年ではDBとして全国制覇をし、最優秀バック賞を獲得した。アメフット部の監督やコーチにフェニックス出身者が多かったこともあり、憧れて日大に進学した。

そんな林裕にとって、甲子園ボウルは「特別な場所」であり、「4年間でどれだけ成長できたか、これまでの集大成を見せる場」と気合十分だ。

「チーム一丸となって一戦必勝としたい。個人としてはボールを持って走り回りたい」。

WR林裕嗣がつないだボールがフェニックスを再び学生日本一に導けるか。

記事:柿沼真優(日本大学新聞社)
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DL#57伊東慧太(4年/主将)

「一戦必勝」。今季のスローガンの通り、一つ一つの試合を丁寧に戦って勝利を重ね、ようやく甲子園ボウルへの切符をつかんだ。数々の試練を乗り越えたフェニックスだが、常にチームをリードしてきたのが、主将のDL伊東慧太だ。

主将になることに最初は乗り気ではなかったが、チームメイトや先輩などに相談していくうちに「チーム全体を引っ張っていけるような存在になりたい」。そんな思いから立候補した。どの選手やスタッフからも信頼が厚く、精神的にもプレーでもチームの柱だ。

今季第2戦の中大戦序盤に負傷し、それ以降フィールドに伊東の姿はなかった。

フィールドに立てなくても、「一戦必勝」の思いは変わらない。士気が下がらないように気を配り、自分のポジションに代わりに入る選手に考え方やプレーを教えた。

伊東は「人に言われず、自分たちでチームを作り上げていくことに難しさを感じる」と話していたが、甲子園ボウルの切符をつかんだ桜美林戦後、「何が正しいことなのか、どのような行動を取ればいいのかを、人に言われなくても判断できるようになった」。橋詰監督が求める「選手の自主性」をしっかりと習得し、主将としてチーム全体を引っ張っている。

「今までやってきたことが正しかったかどうかは結果でしか分からない」。それを証明するために「最後まで『一戦必勝』を心掛け、ゲームメンバー、控え選手、スタッフ、コーチ共に全員が自分のやるべきことをやり通し、チーム一丸となって勝ちをつかみにいく」。フェニックスの司令塔が、強い意気込みで甲子園の舞台に挑む。

記事:柿沼真優(日本大学新聞社)
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DL#99宇田正男(4年/副将)

中大戦以降、主将の伊東が負傷で欠いたディフェンスをここまでけん引してきたのは、副将を務める宇田正男だ。スピード、パワー、テクニック全てにおいて高いレベルを誇っている。

7歳から極真空手を習い、今でも続けている。空手教室の恩師が静岡・知徳高のアメフット部監督と親しく、誘われるままアメフットを始めた。その後の成長は著しく、フットボールセンスとスピードを買われ、日大を含め数々の大学から推薦をもらった。知徳高時代の先輩がいたことと「日本一を目指せる環境下で成長したい」という思いから、日大に進学。1年で甲子園ボウルの舞台も経験し、2年ではU19日本代表に選ばれた。

大学入学後は、フィジカルトレーニングとタックルの分析に力を入れた。「どうやったら相手を押すことができるか、むやみにやるのではなく、方法を考えながら練習した」と話す。また、極真空手で磨いた反射神経のおかげで「相手との距離の詰め方や間合いがつかみやすい」。その反射神経とパワーアップさせた体力を活かし、試合状況に合わせたプレーを予測し、1対3でも押し返すことができるような技を手に入れた。

「必ず勝つ、絶対負けない、全て出し切る」と意気込みを話す宇田。

数々の困難を乗り越え、多くの人に支えられながら、戻ってくることができた大舞台。この男の激しいタックルがフェニックスに勢いを引き寄せるだろう。

記事:柿沼真優(日本大学新聞社)
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DB#21真鍋開陽(1年)

日大フェニックスの将来を担うルーキーが現れた。最後のとりでとして成長し続けるDB真鍋開陽だ。

物心ついたときからアメフットを見てきた。日大出身の父の影響でフェニックスが甲子園ボウルに出場すると、現地で観戦していた。高校1年だった2017年には、観客席からフェニックスの優勝を目にした。「自分も日大フェニックスのユニホームを着て、日本一になりたい」。そんな思いから日大に進学した。

中学までは野球一筋。進学先の高校にアメフット部があったため、迷いなく入部した。高校時代は部員が少なかったため、複数のポジションを経験したが、大学ではDB専任に。相手の動きを読み、タックル力、スピードが求められるFS(フリーセーフティ)を務めている。高校時代QBを経験したこともあり、「プレーを予測することには自信がある」。新型コロナ自粛期間を利用し、ウエートトレーニングや砂浜トレーニングでフィジカル強化を行った。「アメフットができない環境の中で筋力を付けて体を大きくできたことは試合にとても生きた。中でも東大戦第3Qにスクリーンを止めた時に成長を実感できた」と話した。

主将DL伊東も、フェニックスに欠かせない選手としてDB真鍋の名前を挙げ、「今季一番成長を感じる選手。ハードにタックルできている」と高く評価している。

「1年生らしくミスを恐れず、1対1で相手に勝ちたい。ハードタックルやインターセプトも狙いたい」と大舞台での活躍を誓った。

記事:柿沼真優(日本大学新聞社)
写真;日本大学新聞社
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