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日本大学フェニックスが、フットボールの聖地・甲子園に4年ぶりに舞い戻った。

 

 フェニックスといえば、これまでは伝家の宝刀・ショットガン体型からの華麗なパスで爆発的なオフェンスを展開してきた。しかし今年はセットバックからのランプレーを中心としたニューフェニックスオフェンスで勝ち進んできた。

 「(強豪チームには)パスだけでは勝てない。幸いチームにはRBが揃っているし、オフェンスラインもサイズがある。そこで監督にランプレーベースでプレーを作っていきたいと相談した」と主将RB岡部サトシ。

 今春から取り組んだランプレーに比重を置くオフェンスは、リーグ戦7試合のプレー総回数と総獲得ヤードを分析すると、その傾向がはっきりわかる。プレー回数では、総回数406回のうち、ランプレーは268回、パス試投回数は138回(うち成功は94回)と約2倍差となっている。総獲得ヤードは3111ヤードのうち、ランでの獲得は1901ヤード、パスでは1210ヤードを獲得。比率は、ほぼラン3でパス2の割合だ。

 ランプレーを重視して「プレーのバリエーションを増やした」(岡部主将)結果が、「ライバル法政にもランで勝った」につながった。
 このランプレーの構築に貢献したのが、今年就任した田中芳行コーチだ。「関西や関東の強豪に比べるとランプレーの知識は乏しく、スピードやクイックネスも未熟だった。そこでランプレーの基本的な考え方や、例えばOLのステップとか、最初からファンダメンタルを含めてシステム作りをした」と同コーチ。
リーグ戦序盤では「ミスが多かったが、明治大、早稲田大、法政大と大きな試合を経験するごとに技術面よりも精神面がタフになっていった」と選手の成長に目を細める。

確かに試合ごとに精神面の成長がみられた。リーグ戦終盤の明治大、早稲田大戦では先制されたものの、後半に逆転して勝利。また関東大学選手権決勝で対戦した法政大との一戦では先制するも逆転され、前半を13-17で折り返したが、後半に再逆転して27-17で強豪・法政大を突き放した。
この3試合ともが、田中コーチが言う精神面が強くなったことを裏付ける試合運びだった。

 

  
22年ぶりとなる甲子園での「赤」と「青」の戦い(2007年は長居スタジアムで開催)。
「主将を任された時から、内田正人監督を甲子園ボウルにつれていくことが使命だと思ってきた。だから厳しい練習をしてきた。1年生から3年生まで4年生と同じ気持ちで取り組んでいる。だからチーム全員に絆がある」と、チーム一丸を強調する岡部主将。そして「関学大との甲子園ボウルは伝統の一戦。鳥肌が立つ。1プレー1プレーに心をこめてプレーする。今春初戦だった関学大との定期戦に負けて(7-23)、選手全員の目が覚めた。だからこそ今回は借りを返す。これからは練習のピッチをあげて1日も休まずやる。甲子園ボウルでは練習してきたことをやり抜く。1点差でも勝ちたい」と、21年ぶりの学生日本一奪回に向けて闘志を燃やす。


記事;福武金二
編集;畠中隆好/OfficeNEAR(甲子園ボウルPJT)
写真;関東学生アメリカンフットボール連盟



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