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#10 QB 木村 幸二朗 4年 178cm 67kg 足立学園 写真/土田 麻子 |
木村 幸二朗(きむら こうじろう)
栄光のエースナンバー10を背負い、新生日大ショットガンの引き金を引く男。それがQB木村幸二朗だ。日大のQBといえば、近年ではW杯日本代表QB冨澤(オンワードスカイラークス)に代表されるように、強肩で俊足なイメージが強い。
そういった歴代の日大10番と単純に比較すると、身体能力の面だけを見れば、木村は見劣りするかもしれない。
しかしそれを補ってあまりあるのが、判断力とコントロールだ。センターからスナップを受け、ポケットの中で冷静にフリーのレシーバーを探し、正確にヒットさせる一連の動作は過去の名選手と比べても遜色がない。クラッシュボウルでは、3Q終盤に負傷退場するまで、
試投35回のうち31回成功、338ヤード獲得と抜群の安定感を見せた。
身体能力の高いQBは、それに頼りすぎるゆえ、安易にスクランブルをしたり、強引にパスを投げてしまいがちである。それがターンオーバーに繋がることも多い。だが木村のプレーからは、そういった不安定な面が伺えない。
ともすれば木村は迫力不足に見えるかもしれない。しかし必要とあらば黒子に徹し、チームの求めるプレーを淡々とこなす、という新しい日大QB像を打ち立てた。まさに新生日大の象徴といえる存在である。
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