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ファイターズ主将 #55 OL 岡田 拓郎 (C)Takeshi Yamaoka |
かつて甲子園ボウルといえば、「青と赤の対決」。今大会で62回を数える歴史の中で、過去24度も対決してきた青の関西学院大学ファイターズと、赤の日本大学フェニックスが18年ぶりに25度目の対決をすることとなった。
「やっとできるわ」と関学・鳥内秀晃監督。日大が対戦相手に決まった瞬間にこう感じたという。というのも自身が現役時代だった4年間(78年〜81年)、甲子園ボウルで日大と4年連続対決しながら一度も勝利することが出来ずに終わり、ようやくリベンジを果たすチャンスがめぐってきたからだ。
また鳥内監督が指導者を目指すきっかけとなったのも、4年間負け続けたあの甲子園ボウルで、後輩達を勝たせてやりたいという強い思いがあったからこそ。つまり日大と甲子園ボウルで対決し、勝利することこそが、鳥内監督にとって“あの場所”に長い間忘れてきた大切なものだった。
関学が勝利すると、実に30年ぶりに甲子園ボウルで日大に勝っての優勝となる、数多くのOBにとっても大切な試合なのだ。
さて、そんな先輩達の思いをよそに、選手は「日本一」という目標に向けて練習に励む。主将OL岡田やQB三原ら主力選手は「伝統のある対決であり、その舞台に立てることは光栄だが、どちらかといえば、あの強い法政に勝ったチームという印象しかない」と、伝統の一戦というより目の前に立ちはだかった強敵としか意識していない。
関学は昨年に続いて2年連続の出場となった。4年間のブランクを経て、昨年は5年ぶりに甲子園ボウルに出場。しかし、選手全員が甲子園ボウル初体験という中で、関学らしい相手のミスを誘い込むフットボールではなく、逆に2つのターンオーバーを喫しての敗戦となった。
鳥内監督も「4年間(甲子園ボウルに)いかないままやったんで、選手の反応がいまいちやった」と、甲子園ボウルからチームが遠ざかってしまった影響が、想像以上だったことを口にした。
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