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2007.11.25

<関学大―立命大 試合速報>
全勝決戦を制した関学大、2年連続の甲子園ボウル出場へ!!

 2007年関西学生リーグDiv.J最終日。関西学院大学ファイターズと立命館大学パンサーズの全勝決戦は、2Qに集中して得点を重ねた関学大が、追いすがる立命大を31−28で振り切って勝利。2年連続49回目のリーグ優勝を果たすと共に、甲子園ボウル出場権を手に入れた。

開始早々、立命RB松森が先制TD(写真/UNN関西学生報道連盟 濱田直毅)

 先手を取ったのは立命。自陣6ヤード付近から始まった最初のシリーズ。先発QB木下(雅)の操るオフェンスは、WR本多へのパス、RB松森、山城のランで連続ダウン更新。敵陣へと侵入するとQB木下からWR小城への連続パスでゴール前に迫る。ここでオフェンスラインが押し上げた中央をRB松森が抜けてTD。立命があっさりと先制する(TFPキック成功/立命7−0)。
 立ち上がりこそは、立命ディフェンス陣の初速に戸惑った関学オフェンスだが、第2シリーズからは、落ち着きを取り戻して反撃を開始する。

関学RB河原へのショベルパスが決まって同点TD(写真/UNN関西学生報道連盟 濱田直毅)

 自陣29ヤードからRB河原のロングランでダウンを更新すると、QB三原からTE水原への36ヤードパスが成功、敵陣へと侵入。ゴール前7ヤードから、QB三原からRB河原へのショベルパスが綺麗に決まって、TD。関学が同点に追いつく(TFPキック成功/関学7−7)。

 この日の関学は、「準備したものをすべて出し切った」とQB三原が云うように、実に多彩なオフェンスを披露する。
 QB三原からWR榊原、秋山へのタイミングパスや、そのフェイクからQB三原のキープ、RB河原のドロープレーなどで陣地を進めると、Qタイムを挟んで、QB三原とQB浅海の演じるフリーフリッカーパスなど、「リスクを冒してでも攻める」(関学大・鳥内監督)オフェンスが面白いように決まる。
 ゴール前2ヤードとすると、ここからはラインの力勝負。3回連続でOL陣とQB三原が一塊になって押し込み、最後は逆転TDを奪い取った(TFPキック成功/関学大14−7)。

ゴール前からライン戦で押し込んだ関学QB三原(写真/UNN関西学生報道連盟 濱田直毅)

 「選手達が考えて、準備できたというから、やるなら早めに」(関学・鳥内監督)。
 次のキックオフで、関学がなんとオンサイドキックを敢行。K大西の蹴ったボールはピタリと10ヤードの放物線を描き、DB磯野の胸にピタリと納まる。
 「何かあるとは思っていたが驚いた。あれこそ1年かけた練習の成果」と立命・古橋ヘッドコーチを唸らせたプレーが決まる。
 この直後にQB三原からWR秋山への48ヤードのTDパスが成功、関学が一気に突き放した(TFPキック成功/関学21−7)。

 しかし立命にも勢いがある。続いてのキックオフを松森が52ヤードリターン。このチャンスにQB木下からホットラインWR前田へのパスでダウン更新。次のプレーでRB家亀がオープンを走ってTDを奪い、関学に追いすがる(TFPキック成功/立命14−21)。
 続いての関学オフェンスで、QB三原の投げたパスを、LB岸本がインターセプト。立命がゴール前22ヤードとチャンスを得るが、ここはTDには至らず。FGトライも失敗に終わり得点には繋がらない。

 反対に関学が、WR秋山へのスクリーンパスからRB河原へ渡すスペシャルプレーなどで敵陣に攻め込むと、WR秋山への35ヤードパスが決まり、一気にゴール前へと迫る。
 最後はQB加納とTE水原のカウンタープレーでTD(TFPキック成功/関学28−14)、関学リードで前半を終了する。

 後半開始の立命オフェンス。QB木下からWR前田、本多へのパス、RB松森のランなどがテンポ良く決まる。自陣21ヤードからのオフェンスを8プレー3分15秒でドライブ、WR本多のTDで締めくくる(TFPキック成功/立命21―28)。

決勝点となった関学K大西のFG(写真/UNN関西学生報道連盟 濱田直毅)

 関学はディフェンス陣が奮起。続いての立命オフェンスで、DB藤本がパスインターセプト。これをK大西のFG成功に繋げ、立命に傾きかけた流れをなんとか引き戻しにかかる(関学31−21)。

 だがライン戦で勝る立命オフェンスが止まらない。3Q終了間際のシリーズ、QB木下からWR前田へのショートパスでリズムを作ると、RB山城がゴール前33ヤードから2回のランでTD(TFPキック成功/31−28)。点差を3点に縮め、4Qへと突入する。

 最終Q。ダウン更新が単発に終わる関学に対し、立命が再びドライブを開始。自陣18ヤードから、今度はQB木下からWR小城、前田、本多へパスを投げ分け、ダウン更新を積み重ね、瞬く間に敵陣へと押し寄せる。
 しかしここで関学ディフェンスが執念のプレー。ゴール前11ヤード付近からボールを持ったRB山城へLB佐藤が激しいタックルでファンブルフォース。こぼれたボールを関学が確保して立命オフェンスを断ち切る。

 ここからは関学が丁寧に時間を潰し、立命は残り1分4秒からのキャッチアップオフェンスでパスが決まらず、結局、このまま関学が逃げ切った。

 最後の攻防は、立命オフェンスの底力と関学ディフェンスの執念がぶつかり合った。「後半勝負と考えていた」(立命・古橋HC)の思惑を、関学ディフェンス陣が何とかしのぎきり接戦に決着をつけた。
 また互いにインターセプトを奪った後のFGの成否が、そのまま勝敗の鍵となったことも因縁深い結果といえる。

 「立命の存在があったからこそ、チームが成長してきた。勝敗はたまたま運が良かっただけ。関西代表としてワンランク上のチームを目指し、甲子園ボウルを戦いたい」と、関学・鳥内監督は言葉を結んだ。

記事:畠中隆好

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