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2007.11.27

<クラッシュボウル決勝プレビュー>
王者法政に最強の挑戦者が現わる!よみがえった不死鳥は再び大空へはばたくか?

リーグ最終戦、主力メンバーを温存したにもかかわらず大差で中央大を下した日大。ボールキャリアへ襲いかかるLB中野(写真/土田麻子)

   関東のフットボールファンが待ち望んだ一戦が始まる。今季クラッシュボウルで激突するのは、法政大学トマホークスと日本大学フェニックス。因縁の両校が8年ぶりに甲子園への切符をかけて戦う。

 ともにリーグ戦を全勝で通過し、クラッシュボウルへと進出した両雄だが、今季の歩みは大きく異なる。
 昨季の学生王者法政は、リーグ戦の序盤こそ大差のゲーム展開であったが、一橋大戦、早大戦では、攻守のラインが押し込まれ苦戦を強いられた。特に早大戦ではミスを連発し、5度に渡るタイブレークに持ち込まれるなど、本来の力を発揮できぬままリーグ戦を終了した。
 これに対し日大は、危なげなくリーグ戦を突破。オフェンスでは従来のショットガン体型からのパッシングだけでなく、快足RB金を中心としたランオフェンスが絶好調で破壊力抜群。また、これまで課題とされていた守備も主将DL鈴木、小宮を中心とした強力ラインを活かし、難攻不落の「赤い壁」を形成している。

 1Q12分のリーグ戦と異なり、クラッシュボウルは1Q15分で実施されるため、試合時間が長くなる。そのため選手層の厚さは試合の行方を大きく左右する。選手層の面でいえば日大が有利だ。
 日大は攻守ラインやスキルポジションに数多くのタレント選手を擁している。リーグ最終戦では、QB木村、RB金、DT小宮といった攻守の主力メンバーを温存したにもかかわらず、大差で中央大を下している。
 逆に同じリーグ最終戦で法政は、主力が3時間を超える激闘を戦い抜いており、疲労が残っている。
 日大はこの大一番に主力メンバーがベストの状態で臨むことができ、コンディション面でも日大が有利である。

リーグ最終戦、早大とのタイブレークでは抜群の集中力を発揮した法大QB菅原(写真/土田麻子)

 しかし選手層の面では後れを取っている法政だが、戦術面ではまだ奥の手がありそうだ。ここ数年、毎年ボウルゲームではリーグ戦からスタイルを一新してプレーするのが法政の凄みでもある。
 今年もリーグ戦はベーシックなプレーで戦い抜き、スローバックスクリーンや、WRジェットモーションからのオプションなど、昨年甲子園で見せていたプレーを封印している。
 「日大は我々にとって宿敵。今年の日大は近年で一番強いので喜んで試合をしたい」と青木監督が語るように、日大対策の準備は充分になされているだろう。
 また今季不調だったQB菅原が早大とのタイブレークで抜群の集中力を発揮し、復調の手応えを掴んだのも大きい。守備面でもLB内村らが復帰し、明るい材料が増えている。そしてなにより早大との接戦を経験したことで、チームの結束力が増している。

 ではクラッシュボウルはどんな試合展開になるか。現在のチーム状態を見る限り、ライン戦では日大が有利である。法政は日大の強力ラインに対していかにしてプレッシャーをかけるかがカギになる。日大ラインに押し込まれる展開が続くと、法政にとっては苦しい展開になる。
 逆に法政の有利な点は、WRとDBのマッチアップにある。関東最強ともいえる日大のWR陣を唯一封じ込めることが出来るのは、法政DB陣である。
 ランプレーでボールコントロールする今季の日大だが、やはり看板はパスプレー。法政DB陣の包囲網をいかに突破するかが、日大の勝利への必須条件だ。

 日大黄金時代に終止符を打ち、現在の王者として君臨する法政と、かつて絶対王者の日大。互いの誇りと信念をかけた試合がいよいよ幕を開ける。

記事:早坂茂

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