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2007.12.02

<クラッシュボウル決勝 試合速報>
頂上決戦を制した日大!17年の時を越え、不死鳥ついに復活!!

法政大を降し、勝利の瞬間喜びを爆発させる日大TE吉田武蔵(写真/土田麻子)

 甲子園行きの切符をかけたクラッシュボウル。法政大学トマホークスと日本大学フェニックスの試合は、序盤法政がリズムをつかむも、後半日大が猛反撃を見せ4Qに逆転。日大が38−34で勝利、17年ぶりの甲子園ボウル出場を決めた。

 試合の主導権を握ったのは法政。QB菅原からRB渓本へのショートパスを中心に攻撃を組立て、ゴールライン目前まで攻め込み、FGで先制点を挙げる。
 続いてのシリーズも、リズムよいドライブで前進した法政はFGで追加点を挙げ、1Q終盤には法政得意のロンリ―センターからのスペシャルプレーを絡め、1Q10分35秒にQB菅原のドロープレーで待望のTDを決める(TFPキック成功/法政13−0)。

QB木村の負傷直後会心の独走TDランでチームの危機を救ったRB金雄一(写真/土田麻子)

 ゲームのモメンタムを法政に握られた日大だが、QB木村が1Q終盤から徐々に調子を取り戻し、反撃を試みる。
 QB木村は、エースRB金のランプレーをおとりにし、ミドルゾーンを走るWR小嶋へ次々とパスをヒット。あっという間に法政陣内へと攻め込み、最後はQB木村からWR秋山へのパスが決まり、この試合初のTDを奪う(TFPキック成功/日大7−13)。

 攻撃で落ち着きを取り戻した日大だが、守備ではアジャストが効かず、苦しい展開が続く。法政が自軍WRと日大DBのスピード差をついたプレー選択で前進を図ると、日大は防戦一方となり、QB菅原のパスを封じることができない。
 法政はQB菅原からTE東のパス連続ヒットで立て続けにフレッシュ。2Q3分6秒に日大陣内20ヤード地点から菅原から戸倉へのホットラインが炸裂し、追加点となるTDパスを決めた(TFPキック成功/法政20−7)。

自慢の俊足で日大DBを翻弄し、チームに勢いを与えた法政大WR栗原喬(写真/土田麻子)

 ここで一気にリードを奪いたい法政は、この試合で的確にゲインしているQBドローを軸にプレーを展開する。さらに好調のWR本間へのパスもタイミングよく決まり前進。ゴール前6ヤードから、RB原の中央のランプレーでTDに繋げた(TFPキック成功/法政27−7)。

 これ以上の離されるわけにはいかない日大。ショットガンの引き金を引くQB木村は、WR小嶋、松林、TE吉田へパスを正確にヒットし、3回連続でフレッシュ。RB金をおとりにしたプレーアクションパスでエンドゾーン目前まで攻め込むと、最後はRB金が法政の壁を突き破り、TDランを決めた(TFPキック成功/日大14−27)。
 これで勢いの出た日大は、続く法政の攻撃をこの試合初めての3rdアンドアウトに封じ込め攻撃権を得ると、チーム全員が集中したプレーで前進。前半終了間際に、TE/K中村が冷静に27ヤードのFGを決め、法政との点差を10点まで詰めた(日大17−27)。

 後半、ハーフタイム中のアジャスト成功した日大は、RB金の中央へのランプレーで効果的なゲインを奪う。さらにQB木村は、法政守備のブリッツで空いたゾーンへパスを連続してヒットすると、その勢いのままWR松林へTDパスをヒットし、反撃の狼煙をあげた(TFPキック成功/日大24−27)。

鉄壁のパスプロテクションでQBを守り抜いた日大OL陣(写真/土田麻子)

 日大は守備もリズムが良くなり、続く法政の攻撃を、DL小宮のサックなどで後退させ、攻撃権を奪い返す。
 迎えた日大の攻撃シリーズ。鉄壁のパスプロテクションに守られたQB木村がWR松林、小嶋らに冷静にパスを決め、一気に法政陣内まで攻め込む。
 しかしここまで防戦一方であった法政がLB影澤のタックルでファンブルを誘い、このボールをそのまま確保。法政がターンノーバーで攻撃権をもぎ取った。

 ここで得たチャンスをものにしたい法政。ショットガンからのプレーに加え、セットバックからのオプションやQBキープなど、リーグ戦では見せなかったプレーで日大の包囲網を突破。そして3Q9分22秒にQB菅原がRB渓本へのフェイクを絡めたプレーアクションパスでTDを奪い、再び日大を突き放す(TFPキック成功/法政34−24)。

 法政に再度リードを奪われた日大にこの試合最大のピンチが訪れる。次の攻撃シリーズでプレーの最中に、エースQB木村が負傷。担架でサイドラインへ引きあげる非常事態が発生した。
 「みんなで(平本を)盛り立てていこう、とハドルで叫んだ」(日大・RB金)。
 この試合の流れを左右しかねない危険な状況を救ったのはRB金。直後のプレーで木村に代わって急遽出場したQB平本からボールを受け取った金は、一直線にフィールドを駆け抜け独走。62ヤードを走りきりTDを奪う(TFPキック成功/日大31−34)。

 このプレーでモメンタムを掴んだ日大は守備でも法政にゲインこそ許すものの、FGレンジまでの前進は阻止し、攻撃権を奪い返す。
 3Q終盤からはQB平本を、経験豊富なWR陣がシュアハンドで支え、リズムよく前進、ゴールライン目前まで攻め込む。一度はFGトライとなるが、法政の反則によりダウン更新。最後はRB広瀬エンドゾーンまで到達、ついに日大が逆転のTDドライブを結実させる(TFPキック成功/日大38−34)。

体を張ったランプレーで日大に襲い掛かる法政大QB菅原俊(写真/土田麻子)

 最後の力を振り絞る法政が、日大に襲いかかる。自陣20ヤード地点からのドライブで、QB菅原のキープ、TE東へのパスに加え、WR戸倉へのホットラインがつながり、エンドゾーン間際まで前進に成功する。
 日大もDB陣のパスカットでTDを防ぐが、法政もQB菅原が体を張ったキーププレーでゲインし、ゴールライン目前。

 運命の瞬間が訪れる。
 試合終了まで残り44秒。3rdダウンでQB菅原の投じたパスがWR栗原の手に渡るものの、ダウン更新へわずかに及ばす。
 「最後のプレー選択は選手達が決めた。ウチはいつでもそうしてきた」(法政・青木監督)。
 最後の4thダウンギャンブル。法政QB菅原がエンドゾーンへ向けてTDパスを投げる。しかしそのボールはレシーバーに触れることなくフィールドへと転がる。
 大歓声に沸くバックスタンド。攻撃権を得た日大のQB平本がニーダウン。時計の針が0を指し示した瞬間、日大が17年ぶりに甲子園への切符を手に入れた。
 不死鳥は再び大空へと舞い上がった。

記事:早坂茂

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