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日大#21 RB金 抜群のスピードで関学守備陣を振り切り最初のTDを奪う(写真/土田麻子) |
この拮抗した状態から先に一歩踏み出したのは日大。関学P大西の好パントで自陣深くまで追いやられてのシリーズ。
QB平本が関学のLBブリッツによって空いたスペースへパスを投げ込み、RB金がボールをキャッチ。金は抜群のスピードでフィールドを駆け抜け、関学守備陣を振り切りエンドゾーンへ。1Q11分21秒に日大が先制TDを奪った(日大7−0)。
日大に先制を許した関学だが、直後のシリーズで即座に反撃を試みる。QB三原がWR柴田、榊原、RB河原へパスを決め、リズムよくフレッシュを続ける。そして2Qに入った直後、エンドゾーン目前からRB横山がゴールラインへ飛び込み同点となるTDランを決めた(関学7−7)。
さらに関学の反撃は続く。迎えた日大の攻撃シリーズで、3rdダウンの場面から、先制した時と同じパターンで関学守備ブリッツの穴をねらってパスを投じたQB平本。しかしこのプレーを読んだ関学DB徳井がそのボールをインターセプト。ターンオーバーで再び攻撃権を奪う。
勝ち越しを狙ってドライブする関学攻撃陣。日大強力DLをカウンターやドロープレーでかわそうとするものの、逆に日大DL小宮、LB中谷らの好ラッシュの前にロスタックルを強いられてしまう。なかなか思うようなドライブのできない関学攻撃陣。
「結果的にパントの差が大きかった」(日大・内田監督)。関学P大西が連続して好パントを見せ、着実にフィールドポジションをコントロールする。
2Q中盤。関学はDB深川のインターセプトで日大から攻撃権を奪い取ると、三原から松原のパス、RB稲毛のランプレーで前進し、最後はK大西が敵陣30ヤード地点からFGを決め、この試合で初めて日大から勝ち越し点を奪う(関学10−7)。
ここまで関学守備陣の複雑なプレーの前に沈黙を続けていた日大攻撃陣。だが2Q終盤から徐々にリズムを取り戻し始める。RB金が個人技で少しずつ関学の壁を削り、前進を続けると、QB平本もインターセプトのショックを見せず、冷静にターゲットへパスをヒットさせていく。さらに関学の反則も絡み、関学陣内までボールを運んだ。このシリーズではTDにこそ至らぬものの、TE/K中村(琢)が、40ヤード地点から豪快なキックでFGを成功させ、前半戦をドローで折り返した(日大10−10)。
後半に入り最初に主導権を握ったのは関学。後半の第2シリーズでQBに三原と浅海を併用。リーグ戦ではあまり見せなかったQB浅海のキーププレーで日大守備を混乱させると、RB平田らのベーシックなランプレーも効果を見せはじめる。
最後はK大西の23ヤードFGでこのシリーズを締め、日大から再び勝ち越しを奪う(関学13−10)。
しかしハーフタイムで修正を終えたのは関学だけではない。
「前半で平本は落ち着いてプレーできるようになったので、後半からディープゾーンへのパスプレーをコールした」(日大須永コーチ)。関学に勝ち越しを許した直後のシリーズでは、QB平本からフィールドを縦に走るWR小嶋と松林へのパスが連続してヒット。あっというゴールライン目前まで前進を果たし、最後はQB平本のキーププレーで日大は逆転のTDランを決めた(日大17−13)。
3Q終盤を過ぎたあたりから、両チームディフェンス陣の足が止まりはじめる。
日大TDドライブ直後の関学オフェンスでは、前半に関学が手を焼いていた日大DBの鋭い出足が弱まり、関学のWRがフリーになる機会が増えてきた。このチャンスを活かしたい関学はQB三原に積極的にパスプレーをコールする。
期待に応える三原はWR秋山、岸へ着実にパスをヒットさせ、攻撃のリズムをつかみ始める。そして3Q終了間際には三原から榊原へのホットラインが繋がり、日大から勝ち越しのTDパスを成功させた(関学20−17)。
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