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トピックス 2012.12.15

数々のドラマを育んできた両校の対戦。15度傾斜の新フィールドに新たな歴史を刻む。

数々のドラマを育んできた両校の対戦。15度傾斜の新フィールドに新たな歴史を刻む。

2009年より全日本選手権決勝となったパナソニック杯毎日甲子園ボウル。第67回大会を迎える今年は、東日本代表・法政大学トマホークスと西日本代表・関西学院大学ファイターズの対戦。全日本選手権となってからは初めての顔合わせとなるが、両校の甲子園ボウルでの対戦は6年ぶり7回目。これまでの戦績は法政大の3勝2敗1分と、法政大がひとつ上回っている。

法政大と関学大。初めての対戦は1972年の第27回大会と遡り、この時は法政大が初出場で初優勝(法政大34-20関学大)を果たしている。

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両校が次に対戦したのが、なんと25年後。1997年の第52回大会。6点のビハインドを追う関学大が、試合残り時間58秒からのドライブで、QB高橋がWR竹部への同点TDパスを決めるという劇的な展開。コーチ陣も我を忘れたという歓喜の渦の中、逆転となるTFPキックをまさかの失敗(法政大21-21関学大)。「58秒の真実」という名で、いまでも語り継がれる両校優勝で幕を閉じた試合だ。

直近の対戦は、2006年の第61回大会。法政大45-43関学大で法政大が勝利という、近年で最もハイスコアリングとなった激しい戦いだ。

試合は立ち上がりからQB菅原、RB丸田というスーパーバックス陣を擁する法政大が圧倒、35-21で前半を折り返す。後半、アジャスト力に長ける関学大が息を吹き返し、関学大がTDを1本奪って、さらに敵陣へと進攻したところで、大会史上初の雷雨による30分間の試合中断。

再開後、今度は法政大がモメンタムを取り戻し、最後まで関学大に主導権を渡さないまま試合を終えた。

数々のドラマを刻んできた両校の対戦だが、今年はどのような展開が待っているのだろうか。

法政大と云えば、スキルポジションのスーパーアスリートが獅子奮迅の活躍で得点を奪い取るという印象が強いが、今季の法政大は、青木監督が常々「今年は特別な選手がいるわけではない」と語るように、関東学生リーグの年間個人記録にダントツの成績を残した選手はいない。しかしチームとして非常に良くまとまっている印象だ。

終盤までリードを奪われ、終了間際に同点に追いつき、タイブレークで勝利を掴んだ慶應大戦や、下馬評で圧倒的に不利だった日本大とのあずまボウルでの競り勝ちなど、劣勢をはね返す粘り強さ、勝負強さが真骨頂だ。

QBは伸び盛りの2年生でパスが得意なQB近藤。法政大伝統のオプションにキレのあるQB寺村の2枚看板。WRには1年からスターターを務めるエースWR松永が最終学年を迎える。RBはケガから復帰していよいよ本領を発揮しだしたRB笹尾に注目したい。

法政大の粘り強さの原動力は、主将DL蔀を中心としたディフェンス陣にある。劣勢な試合展開の中、ディフェンス陣のビッグプレーでチャンスを掴んで試合をひっくり返してきた。

関東学生MVPを受賞した大黒柱のDL蔀はもとより、インターセプト王のLB田中、高い運動能力を持つアスリートのDB佐藤ら、要所に強力なメンバーがいるが、なによりディフェンスとしての一体感がチームを支えている。

迎え撃つ関学大。近年まれに見る完成度の高さと言っても過言ではないだろう。

近年最強の京都大、アスリート揃いの布陣に板井ヘッドコーチ仕込みのフットボールIQが加わった関西大、そして国内屈指の圧倒的なタレント集団の立命大と、難敵揃いのリーグ戦を終わってみれば、他をまったく寄せつけずに勝ち抜いた実力は桁外れだ。

昨シーズンはライスボウルまで戦った影響もあり、春は主戦の殆どが調整のための欠場であったということもチーム力の底上げに繋がった。

春の未調整が不安視されたエースQB畑は、秋季リーグが始まってみればそのような懸念を一瞬で払拭する働きを見せた。関学大RBとしては異質のパワーランナーRB望月が、自ら課題としていたスピードを手に入れた。「TEが良いときの関学大は強い」との云われ通り、TE金本の働きもオフェンスの破壊力を裏付ける。

関学大もDLの梶原が主将としてチームを率いる。梶原が今季の法政大のプロフィールに触れたときに「こういう一体感のあるチーム作りが自分たちも目標とするチーム」と話した。攻撃力が特筆される今季の関学大だが、確実に勝利を掴んできたのは、関西の強豪校を抑え込んできたディフェンス陣だ。

ディフェンスの司令塔LB川端、甲子園出場経験のある高校球児DB鳥内、さらにDB陣には大森、保宗ら能力の高いタレントが揃い鉄壁ディフェンスを構築している。

どちらもディフェンスでゲームメイクしながら、オフェンスにチャンスを繋ぎたいゲーム展開となるだろう。オフェンス陣の層の厚さで関学大がやや優位か。だが、今季の法政大には底知れぬ勝負強さがある。

一昨年より全面芝生で開催された甲子園ボウル。今年からフィールドが1塁側に15度傾き、初年度は東日本代表がホームの1塁側。ホームの法政大は紺色のユニフォームを選択、関学大は創部以来初となる白のユニフォームで甲子園に臨む。

既にドラマの序章は始まっている。

記事;畠中隆好/OfficeNEAR(甲子園ボウルPJT)

写真;毎日新聞社

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