出場チーム紹介

出場チーム紹介/日本大学

DB #37鳥内 將希(4年・副将)
関学の副将DB鳥内將希。自分のことだけではなく選手全員に気を配り、“ALL for ONE”のスローガンでチームをまとめる今季のファイターズにとって、必要不可欠な存在だ。今季は常にポジショニングを意識したという鳥内。状況を判断しどこに入ればいいか、瞬時に見分けられるよう日頃から訓練をしてきたと語る。

鳥内にとって今シーズンで一番印象深い試合は最終節の立命戦。0-0というスコアレスドローに終わり、結果的に関学は単独優勝を決めたものの「立命館は一番勝ちたかった相手。ディフェンスとしてとして0点に抑えられたのは良かったけど、やっぱり勝ちたかった」と悔しそうに話す。ディフェンスとして完封を果たしたことに確かな自信を感じながらも、副将としては、チームを勝利に導けなかったことに責任を感じている。

鳥内の父は、自身がプレーをする関学の鳥内秀晃監督。家では口数が少ないので普段はアメフットの話はしないと言いながらも「勝って当たり前の常勝チームを長年引っ張っていることは本当にすごい。そのプレッシャーは半端じゃないと思う」と、監督である父に対する尊敬の想いを語ってくれた。

関学高等部では野球部だった鳥内にとって甲子園という舞台は、野球部時代にも目指していた聖地。今回はアメフット選手としてそのフィールドに立つ最後のチャンスとなる。父と共に戦う日々もあとわずかだ。

「甲子園ボウルは絶対に優勝したい。甲子園で勝利して父を胴上げしたい」と意気込みを語る鳥内。その系譜の歴史に「甲子園ボウル優勝」の文字を新たに刻むことができるのか。鳥内親子の熱い戦いぶりに期待をしたい。

DL#92池永 健人(4年・主将
「どこに勝つねん?」「どこ目指してんねん?」。1年間チームメイトに問い続けてきた主将・池永健人。2年連続で社会人に敗北を喫し「こんな悔しい思いはもうしたくないし、させたくない。みんなを日本一の男にしたい」という強い思いを抱き、ファイターズの主将となった。
常に日本一になることだけを考え、チームのために全てを捧げてきた池永を、鳥内監督は「バラバラだったチームをよくまとめあげている。本当によく頑張ってくれている」と太鼓判を押す。

また“主将・池永”に劣らずチームに貢献するのが、ディフェンスラインマンとしての“選手・池永”だ。
身長183cm、体重97kgと恵まれた体格を活かし1年生からスターターに名を連ね、関西学生リーグで最も活躍した選手に贈られる最優秀選手賞(松葉杯)にも選ばれた。
池永の魅力は、シチュエーションを冷静に見極めて、パスやランを止めにいったりすることが出来るだけではなく、激しいブルラッシュで、相手の攻撃そのものにプレッシャーをかけるなど、様々な守備の引き出しを持っている選手だということだ。
要所で守備のポイントとなるプレーを繰り出しており、対戦相手の各チームに警戒選手を尋ねると、どのオフェンス陣からも返ってくる名前は「関学の池永」。それほど彼の存在は大きく、守備の中心を担う選手である。

ついに甲子園まで駒を進めてきた関学。春に行われた日大との定期戦では、16−16の引き分けとなっているだけに「絶対に勝利し、決着をつけて東京ドームに行く」と気を吐く。

池永がずっと言い続けてきた「選手だけではなくスタッフ含め、部員全員が一人ひとりの役割を理解して行動した時、日本一へ続く道が見えてくる」という言葉。“ALL for ONE”を体現した時、甲子園の真ん中で笑っているファイターズの輪の中央には、池永の姿があるだろう。誰よりもファイターズを愛し、フットボールを愛する男の熱いプレーに注目したい。

LB#1池田 雄紀(4年・副将)
ファイターズの背番号1番、池田雄紀。1年生時からスタメン出場し、ビッグプレーメイカーとして活躍を続けている彼の持ち味は、その全てがズバ抜けてすごいということ。
アメフットにおいて必要な能力であるフィジカル、戦術理解、判断力はチームトップクラス。そして、ここぞという場面で見せる勝負強さは、昨年のライスボウルという大舞台で、社会人王者のオービックに傾きかけた流れを断ち切るパスインターセプトで証明されている。

「常に流れを変えることを狙っている」という池田。貪欲さも兼ね備え、関学守備陣を引っ張る存在である。今年はアウトラインバッカーからインラインバッカーに転向し、さらに様々なプレーに絡めるようになった。
相手のOL陣をなぎ倒すパワーとスピード、パスカバーにおいても素早い反応でインターセプトを連発してきた。関学守備の全プレーに、池田が関わってくるといっても過言ではない。
「タックルひとつにしても絶対に前に進ませない、奥に返せる強いタックル。それだけではなく、ボールに向かっていくプレーにこだわりたい」と心がけて臨んだ今シーズン、LBというポジションにも関わらず3本のTDを決める大活躍を見せ、関西学生リーグの優秀守備選手賞を獲得した。

関西学生リーグでの大一番となった立命戦前には「試合が始めれば無心で1プレー1プレーにこだわって集中し、その結果が完封であればいい」と語った池田。結果、1年の目標であった立命戦完封を達成した。

関学守備のエースとして、また副将としても関学を支えてきた池田が、カレッジフットボールのラストイヤーをどう締めくくるのか。フットボールの神様に愛された男のビッグプレーが出た時、関学の勝利が約束される。

QB#11斎藤 圭(3年)
2学年上の絶対的エースだったQB畑が抜けた今季、3年生ながら関学スターターQBの座を勝ちとった斎藤圭。チームを甲子園ボウルまで導き、関学オフェンスにとって欠かせない存在となっている。最大の武器はその右腕から放たれる正確無比なパスだ。

普段からレシーバーとのコミュニケーションをとることを意識し、パスプレーを担うユニットとしての「QBとWR」の連携を高めることで、パスの成功率を上げてきた。リーグ戦では7試合で71.1%(135回試投96回成功)のパス成功率というリーグ1位の成績を残し、1096ヤードを稼ぎ出して、関西学生リーグの最優秀攻撃選手に選ばれた。
優勝を決めた関大戦では2つのTDパスを含め、パスで156ヤードを稼ぐ大活躍。鳥内監督も「斎藤は安心して見ていられるようになった」と称える。

しかし少し不安な面もある。メンタル面だ。3年生にして常勝ファイターズの司令塔を務めている斎藤が、よく口にする言葉がある。
「ファイターズのエースQBは、200人の部員、何千人のOB、何万人ものファンの人たちのために、1プレーに気持ちを込めなくてはいけない」。
これは斎藤が一番憧れを抱いているという昨年までのエースQB畑の教えだ。第5節の京大戦でようやく納得のいくパスを通すことができ、「落ち着いてプレーできるようになった。その分リスクも落ち着いて回避できるようになってきている」と、斎藤。自らの成長を実感しているものの、鳥内監督は「気持ちを入れ過ぎて空回りだけはするなよ」と声をかける。プレッシャーを感じ過ぎずに、自分のプレーに集中できるかが勝利への鍵になってきそうだ。

去年の甲子園のフィールドにも斎藤の姿があった。脚は震え、自分のプレーを覚えていないほど緊張していたという彼にとって甲子園は「怖くて何もできなかった嫌な場所」。

1年間で技も心も大きく成長し、誰もが認めるファイターズのエースとして再び戻ってきたこの舞台で、どんなパフォーマンスを魅せてくれるのか。4年生を東京ドームへ。彼の右腕から放たれる放物線に注目だ。

RB#28鷺野 聡(3年)
「結果を出せるランニングバック」。
鷺野聡が1年間自分に言い聞かせてきた言葉だ。去年はTDが少なかったり、十分なヤード数を走れていなかったりと、自分の中での課題が山積みだったという。この1年はフィジカルを鍛え、死に物狂いで練習に取り組んできた。身体作りにも力を入れ、その結果、体重を増やすことができた。

鷺野はスピードタイプのRBと誰もが口を揃えて言う。リーグ戦での1回平均8.3ヤード獲得の快足でチームの攻撃にリズムを創る。「自分のTDでいい流れを作り、チーム全体の雰囲気を盛り上げたい」と、力強く語る。
さらに今シーズンは、鷺野の「得点力」が注目を集めている。リーグ7戦でのTD数7回は、リーグ1位の成績。鷺野は、毎回の試合で得点のカギを握り、王者・関学の名を支えてきた。しかし、1年間準備を進めてきた立命戦では、立命の強固なディフェンスを突破することができずに、オフェンスが0点に抑えられ、悔しい思いをした。長居スタジアムで味わったこの悔しさを甲子園の舞台でぶつけると意気込む。

甲子園ボウルでは、日大のディフェンス陣がカタチを作る前に、得意のスピードあるランで、鷺野が甲子園のフィールドを駆け抜け、そのままTDへ運ぶ状況を作れば、関学の優位は間違いない。

鷺野はずっと4年生の背中を見てこれまで過ごしてきた。憧れ尊敬する先輩達に「勝たせてあげたい」という気持ちも強い。日本一を目指すチームで戦うために関学に入った鷺野が、自身のランで関学を優勝に導く。日大の赤い壁をスピード振り切る青い稲妻が、師走の甲子園を駆け抜ける。

WR #15大園 真也(3年)

1年生からスタメンに起用されている大園真也。今年はインサイドレシーバーからアウトサイドレシーバーに転向した。フィールドを広く使わなければならず、初めは慣れなかったという。しかし、試合数をこなすうちにその力が徐々に発揮されていく。
大園の持ち味はランアフターキャッチ。キャッチの精度と俊敏さが求められるため、足の速い大園にとって、このポジションは最大の武器を活かすことが出来る。

今季のリーグ戦で大園にとって最も印象に残っている試合は神戸大戦。この試合で大園は、今季最多の8回キャッチで114ヤードを獲得。「ミドルパスからのロングゲインを取れたのは大きかった」と、自分でも納得のいく内容だったという。
大園が神戸大戦に気合を入れて臨んだのにはわけがある。それは兄である大園樹(神戸大OB)の存在だ。かつて神戸大でエースWRとして活躍し、2008年には関西学生リーグで初の3年連続リーディングレシーバーにも輝いている。アメフットを始めたきっかけも兄の影響で、目指す選手はもちろん兄の樹。試合の中で見せるプレーも、実は兄から受け継いだもの。「アメフットの知識や技術など兄は本当にすごい。自分にとって大きな存在」と話す。

関学の本当の強さは甲子園ボウルで試されるといっても過言ではない。今シーズン、大園が普段から心がけてきたことは「日本一の練習」をすることだという。「日本一の練習」とは、関学の選手である自覚を持ち、常に意識を高く持つこと。自ら重圧をかけることによって、自分を高められるという。
ここ一番で力を発揮できる関学の強さは、このような毎日の積み重ねなのだ。

憧れであった兄にこそ見せたい甲子園ボウル優勝を目指し、緑のフィールドを駆け回る大園の走りから目が離せない。
記事;楢山舞花、玉田祐也、北本隆雄(rtv報道部)
写真;P-TALK
編集;畠中隆好(officeNEAR/甲子園ボウルPJT)
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