群雄割拠のトップ8を勝ち抜いたチーム力
2014年リーグ戦の激闘を振り返る


東日本代表として日本大学フェニックスが、1990年以来24年ぶりとなる甲子園ボウルへの2年連続出場を果たした。
今シーズンから関東学生リーグは、これまでの並列2ブロック制からトップ8、ビッグ8の縦列に編成替えをした。トップ8には日大をはじめ甲子園ボウル優勝経験のある法政大、古豪・明治大、昨年4位と躍進した立教大、慶應大、早稲田大、中央大、日体大と、強豪8校が居並んだ。そのなかで日大は順当に勝ち星を重ねていった。


初戦の日体大には、各Qともに得点をあげ56-14で下す。続く中央大戦でも全Qで得点を奪い、27-0と初完封で2勝目。
3戦目の相手は、リーグ戦で第一関門である早稲田大。第1Q、先制TDを奪われたものの、冷静に攻撃を展開させ第2Qに同点に持ち込む。後半、試合は膠着状態に。そして最終Qの残り時間8分52秒に、RB高口が2ヤードを飛び込みTD。この得点が決勝点となり14-7で3連勝。
この試合で日大がみせたのは勝利を得るために決して慌てず、奇策を用いず、普段通りのプレーをじっくり重ねる姿だった。なかでも守備陣は、早稲田大の1年生ながら好QB坂梨のパスに手こずった。そのなかでDB森が、右サイドぎりぎりに投げられたTD狙いのパスを見事なまでの反応で叩き落とした。
また早稲田大攻撃陣のスペシャルプレーにも守備が組織的に対応して、ゲインを許さなかった。まさに個人技と組織プレーがうまく連動した一戦だった。


続く第2関門、慶応大戦でも勝利を引き寄せるプレーがあった。K有輪がFGを狙った際、キッキングユニットはじっくりと構えて慶応大守備陣に対峙した。焦る慶応大守備陣が反則を取られ、日大はファーストダウンを更新。このチャンスをきっちりとTDに結び付けた。その後もTDを重ね、結局63-20の大差で4連勝とした。
今季調子の上がらない立教大戦では、攻守ともに相手を圧倒。66-0と2度目の完封と今季最多得点試合とした。明治大戦も同様に37-7と連勝記録を延ばす。

 

そして迎えた最終戦。関東連覇を賭けての天王山は、やはり法政大との全勝対決となった。
日大は幸運にも第1Q2分28秒に、法政大の4thダウンからのスペシャルプレーをファンブルロストに。ハーフウェーライン上から攻撃を開始。WR西村へのパスとRB高口のランで法政大陣7ヤードへと前進。ここでRB竹内がランで先制TDをあげる。続いてK有輪が35ヤードのFGを決め、10-0とリードを広げる。
しかし、法政大もQB近藤の8ヤードTDランで7-10と追いすがる。
その後、日大は自陣8ヤードからの攻撃をパス中心に攻め、敵陣15ヤードまで進撃。ここで春はスターターだったが、リーグ戦からはQB高橋のバックアップとなったQB西澤が登場。自慢の脚力を生かし、RBへのフェイクで法政大守備陣が流れ、隙間できたところを走り抜きTD。貴重な追加点をあげた。
「先発の座を譲ったことは、悔しかった。でも腐ってはいけないと言い聞かせ、チームの勝利に貢献することを考えた」(QB西澤)という結果のTDだった。

後半に入って、第3Q5分4秒に法政大は、QB鈴木が3ヤードを走りTD。14-17と3点差に迫る。
そして第4Qにビッグプレーが飛び出した。法政大が日大陣5ヤードまで攻め込む全体絶命のピンチ。ここでLB趙が「スペシャルプレーがくる」と直感から、パサーに突進。見事に仕留めて13ヤードのロスに仕留める。昨年は1年生ながらリーグトップのQBサック数を誇った趙だが、今年はインサイドにポジションが代わり、手探り状態だった。「このタックルで吹っ切れました」と完全復活宣言。
この激戦ではスターターだけではなく、選手全員が勝利に対するどん欲な意識を持ち、チームワークで法政大を2年連続で倒した。

東北大との東日本代表校決定戦では、得意のパッシング攻撃が冴え、63-6と圧勝。激闘続きの試合を乗り越え、2年連続33回目の甲子園ボウル出場を手にしたフェニックス。
「去年(敗戦)の悔しさを思って1年間、練習を重ねてきた。甲子園では、関学大と真っ向勝負して倒します」と主将DL宮田は静かなる闘志を燃やしている。

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記事;門棚丈二(スポーツライター)
写真;関東学生アメリカンフットボール連盟
編集;畠中隆好(officeNEAR/甲子園ボウルPJT)

 


 

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