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第61回アメリカンフットボール東西大学王座決定戦 甲子園ボウル
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 毎日甲子園ボウル(以下甲子園ボウル)の「ボウル」についてご存じだろうか。
 実は2つの意味がある。1つめはフットボールスタジアムの別称だ。サラダボウルのように鉢のような形をしていることからそう呼ばれるようになった。そしてその「ボウル」で開催されるのが、ボウルゲームで、甲子園ボウルも大会の命名者(葉室鐵夫氏/2005年10月30日逝去)が、そのことにこだわった結果、この会場でこの名が付いた。

 では、ボウルゲームとは何か。起源はやはり本場アメリカ、それもカレッジ(大学)フットボールにある。より深く甲子園ボウルを知ってもらうため、元になったカレッジ・フットボールについて、説明していこう。

 アメリカの主要大学はすべて全米体育協会(NCAA)に加入しており、さらにそのほとんどがカンファレンスに入っている。カンファレンスは、日本の大学野球でいう東京六大学や関西六大学のようなものだが、日本とは違って種目別ではなく、大学の体育局全体で加入するのが特徴だ。つまりアメフトのみならずすべての種目で争うため、大学同士でライバル関係が発生するのである。

 有名カンファレンスとしては、南カリフォルニア大やUCLAなど西海岸の大学10校が所属するパシフィック10(通称パック10)やマイアミ大やヴァージニア工科大など東海岸南部を中心とした大学12校が所属するACC、ミシガン大やオハイオ州大など東北部の11大学が所属するビッグ10、ネブラスカ大やオクラホマ大、テキサス大など南西部を中心とした12校によるビッグ12などがある。ちなみにスポーツよりも、伝統・学問で有名なアイビーリーグもカンファレンスの一つだ。

 またノートルダム大のようにカンファレンスに属しない”独立校”も少数存在している。

 アメリカン・フットボール・チームのシーズンだが、NCAAの規定でレギュラーシーズン・ゲームは最大12と規定されており、各校はこの中でカンファレンスのリーグ戦や他カンファレンス所属校との交流戦を行う。ビッグ12のように所属校が多いカンファレンスでは2つの地区に分け、レギュラー・シーズンの最後に優勝決定戦を行うところもある。

 こうしてレギュラー・シーズンを戦い抜き、優秀な成績をおさめたチームに与えられるのが”ボウル・ゲーム”への出場権だ。いわばご褒美なのである。

 各ボウル・ゲームは基本的に独自の開催委員会を持っており、レギュラー・シーズンの成績から出場チームを招待する形式がとられている。ただ自由に招待校を決めるわけではなく、多くのボウル・ゲームは伝統的に招待する大学のカンファレンスを決めているところが多い。例えば、ローズボウルはパック10とビッグ10の首位対決、シュガーボウルの1校はサウスイースタン・カンファレンス(SEC)の首位校といった具合である。この招待制度によって、カンファレンス同士のライバル意識も生まれたりしているのだ。ただ最近は後述のBCSによって伝統からははずれた対戦になることも多くなっている。

 それではボウル・ゲームにはどんなものがあるだろうか。2005年シーズン、NCAAのトップに位置するディビジョンI−Aでは28のボウル・ゲームが12月半ばから2006年1月にかけて開催される予定だ。

 その中でも特に有名なのが4大ボウルと呼ばれる、ローズ、シュガー、オレンジ、フィエスタの4つのボウル・ゲームである。これら4つのボウル・ゲームは別格扱いされており、通常元旦に開催されるのが恒例となっている。ただし、2006年は元旦が日曜日のため、1日ずれてローズ以外の3つが2日に、さらにBCSの全米チャンピオンシップ・ゲームになるローズが3日に開催される予定だ。

 4大ボウル以外ではフィエスタが4大入りする以前、その一角を占めていたコットン・ボウルが有名だ。また上記のような大学対抗形式のボウル・ゲームのほかに、4年生のみが招待されるシニア・ボウルのようなオールスター形式のゲームもいくつか開催されている。こちらはいってみれば活躍した選手へのご褒美だ。

 さてこう書いてくるとボウル・ゲームは決して全国規模で順位を決めるものではないことがわかるだろう。野球やバスケットボールと違って短期の連戦ができず、試合数の制限や伝統もあって全米選手権のようなものが開催されていないのだ。

 とはいえ、強さを比べたくなるのが人というもの。そのためカレッジフットボールの人気が出始めた1920年代から盛んに”ランキング”が作られている。その方法は直接の対戦結果だけでは比べられないため、フットボールに詳しい関係者による投票で決めたり、強さを測る数式を独自に作ってコンピュータで計算させたりするのが主流だ。

 なかでも、全米に散らばるフットボール担当記者が投票するAP通信によるものと、カレッジのコーチたちが自分たちで投票する全国紙USA Today(当初は通信社のUPIが行っていた)によるものの2つの投票方式のランキングが権威を獲得してきた。

 そのため、この2つのランキングで1位を獲得した大学が全米チャンピオンと呼ばれるようになったのである。

 が、2つのランキングがあれば、当然1位が違うこともある。実際、1位が食い違いそれぞれの大学が”チャンピオン”を名乗るケースが頻発したのだ。

 また先に紹介したようにボウル・ゲーム自体も組み合わせの伝統から、首位を争う大学が最後のボウルゲームで格下の大学と対戦することも多く、すっきりしないことも多かった。

 そんな状況から90年代に入って全米王座決定戦を作ろう、という機運が高まり、試行錯誤の後の末1998年から始まったのがBCS、ボウル・チャンピオンシップ・シリーズである。

 BCSは主要カンファレンスとノートルダム大学が参加し、ランキングの1位と2位の大学が対戦する”全米チャンピオンシップ・ゲーム”を実施するというのが主旨となっている。また、使用するランキングは主要ランキングの結果を計算し、平均化した独自のランキングを作ることで、各ランキングの食い違いを解消しようともされている。注目の全米チャンピオンシップ・ゲームは4大ボウルが毎年持ち回りで開催することになっており、2005年シーズンは前述のように1月3日のローズボウルの予定だ。

 BCS独自のランキングだが、今年からAPが自社ランキングの使用を拒否したため、ハリス・インタラクティブが行っているフットボール有識者による投票ランキングと、USA Todayランキング、さらにアンダーソン&ヘスターやビリングスリーなど6つのコンピュータ・ランキングの平均を数値化して決められる。

 こうしてこれまでに7回のBCSによる王座決定戦が行われたが、意図通りすっきりと全米チャンピオンが決まったかというと、実はそうでもない。その原因はあくまでBCSは独自ランキングの1、2位対決を行うシステムであり、チャンピオンはこれまでの伝統通り、すべてのボウル・ゲームが終わった後に発表されるAPとUSA Todayのランキングで決められる伝統が続いていることにある。

 そのため、03年度はBCSランキング2位のルイジアナ州立大が1位のオクラホマ大を破り、USA TODAY/ESPNの最終ランキングでは1位になったものの、APでは3位だったためにローズボウルに回り、勝利した南カリフォルニア大が1位になるという自体が発生してしまった。

 当時はBCSランキングの算出方法が現在のものより複雑だったことなども原因とされているが、現状では根本的に解決しきれない問題であるのも事実である。

 ただBCSの試行錯誤が続く中に、同時に皆がボウル・ゲームの伝統も残していきたい、と考えていることを見逃してはいけない。それほどボウル・ゲームは全米のフットボール関係者とファンに愛されているのである。

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