関西学生リーグ5連覇を狙う立命館大学パンサーズと、5年ぶりの聖地奪還を目指す関西学院大学ファイターズ。第61回甲子園ボウル出場権を賭けた関西学生リーグ最終戦が、いよいよ11月26日(日)、神戸ユニバー記念競技場で全勝対決を迎える。(14:00キックオフ)
「うちは伝統校ではないので、毎年、試行錯誤しながら思い切ったことが出来る。それが強み」と立命・古橋ヘッドコーチはきっぱり。一昨年のWR木下(典明)のQB奇襲先発、昨年の1年生RB松森の鮮烈デビューなど、立命は過去にもこの大一番に奥の手を準備してきた。関学の主将LB柏木も「何か隠し球があるのを前提に備えておく」と警戒するところだ。
今季の立命は、スターター出場が期待されたQB渋井の故障により、3年生QB木下(雅)がゲームごとに成長し、オフェンスチームを率いてきた。このQB木下を中心に、俊足のRB松森、安定感のあるWR前田がオフェンスの核を担う。
橋詰オフェンスコーチは「関学ディフェンス陣がどういう作戦でくるのか、できる限り予測しつつ、自然体で臨みたい」と、話すものの「今年1年のとり組みを試す発表会」というからには、ここまで見たことのない今季の立命オフェンス完成型を観ることが出来るのだろう。
関学はこの春から、フィジカル面の強化を重点的に取り組んできた。「立命のディフェンスは、よく考えられた良いシステム。ランにもパスにも均等の対応をして、戦術的に同等のレベルで戦えば、最後はフィジカルの差で圧倒してくる」と、関学・小野オフェンスコーディネイター。つまりチーム全体の根本的な身体能力を同等か、それ以上のレベルに持ち上げることが立命対策には必須であったというわけだ。
この春から油谷ストレングスコーチの指導によるトレーニングで、ベンチプレスが20kgのパワーアップをしたというOL生田は「スピードを落とさずサイズアップして、今までより相手を押し込めるになった」と、成果を実感している。ディフェンスのDL國方も「1対1の勝負をするときに成果を感じる」と話す。
さらにこれはラインメンに限らず、RB古谷も「パワーアップして自分の思うような走りが出来るようになった」と、その肉体改造の効果はチーム全体に及んでいるようだ。
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