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自らのランを含む4TDで甲子園ボウルMVPを受賞した3年生QB#4菅原 撮影:スポーツ法政
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1Q中盤にはスペシャルプレーから関学にTDを許すが、続いて迎えたキックオフリターンではまたも丸田が快走。96ヤードを走りリターンTDを奪い、関学に付け入る隙を与えない。
しかし2Qにはいると、関学が攻守ラインの動きを改善したことにより、法政はライン戦で劣勢になり始める。
オフェンスでは菅原にプレッシャーがかかり始め、ディフェンスでは関学QB三原が落ち着いてパスを通し、法政が菅原のTDラン、菅原から戸倉のTDパスで追加点を上げれば、すかさず関学も負けじとばかりに、スペシャルプレーや三原のTDランで得点を重ね、どこまでも追いすがる。
前半を35−14で折り返した法政だが、点差ほど力の差はなく、後半も苦しい戦いが予想された。
そして関学のレシーブで迎えた3Q。前半とはうって変わって激しい雨の降る甲子園。天候の変化同様、試合の流れも確実に関学へ傾き始めた。
関学が最初のシリーズでTDにつなげると、続く法政オフェンスはWRがフリーになる場面はあるものの、激しいパスラッシュと雨の影響で、思うような前進ができない。
さらに前半機能していた法政ディフェンスも粘りを見せるが、負傷者などの影響もありライン戦で苦境に立たされる。
関学のQB三原が繰り出すQBカウンターに手を焼き、ずるずると後退する法政。
だがここで恵みの雨ならぬ「恵みの雷」が法政を救う。3Q中盤に激しい雷鳴が轟き、安全のために試合は約30分間の中断を余儀なくされる。
試合が再開され、最初のプレーで関学がFGを失敗したように、「試合の流れが関学に傾きかけていただけに、あの中断は助かった」と、青木監督は本音を語った。
そしてすべての命運が決まる4Q。
パントリターンで関学WR榊原のファンブルしたボールを押さえ、攻撃権を得た法政はこの試合絶好調のWR栗原が関学DBのマークを振り切り、エンドゾーン内でボールをキャッチ。待望の追加点を奪う。
続く関学オフェンスシリーズでは、三原のスクランブルでTDランを決められるが、法政オフェンスもラン中心の攻撃で、着実に前進を果たす。
勝敗の明暗を分けたのはこのシリーズでのプレー選択。エンドゾーン目前まで攻め込んだ法政。3rdダウンでフレッシュできず、一度は4thダウンギャンブルを試みるが、サイドラインがタイムアウトをとり、サイドプレーの確認をする。
結果的にはここでFGを選択。今季スコアリングキックを担当しているRB渓本がこれを冷静に決め、スコアを45−35まで広げる。
これで勝負あったかと思われたが、ここからも関学が底力を見せ、RB古谷のランでTDを奪う。さらにTFPではスペシャルプレーで2点コンバージョンを成功、法政は45−43と追撃される。
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