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甲子園ボウル 2006/12/17 13:00 Kick off
ニュースヘッドライン

2006.12.20

<甲子園ボウル ゲーム解説>
法政大学トマホークス編

ファーストプレーで独走TDを奪った4年生RB#29丸田
撮影:スポーツ法政

 誇りと信念が生んだ甲子園ボウル連覇

 試合の口火を切ったのはエースRB丸田の走り。この試合最初のプレーでピッチを受けた丸田は関学ディフェンスのタックルの芯をはずし、フィールドを独走してTD。法政はまさに電光石火のスピードで連覇へのスタートを切った。
 法政の勢いは収まらず、続くシリーズでもQB菅原のキープとWR戸倉、栗原へのパスでリズムをつかみ、菅原から本間のTDパスで追加点を上げる。
 守備も関学オフェンスにエンドゾーン目前まで攻め込まれるが、4thダウンギャンブルを主将伊倉のタックルで阻止するなど、試合のモメンタムを一気に手繰り寄せる。

自らのランを含む4TDで甲子園ボウルMVPを受賞した3年生QB#4菅原
撮影:スポーツ法政

 1Q中盤にはスペシャルプレーから関学にTDを許すが、続いて迎えたキックオフリターンではまたも丸田が快走。96ヤードを走りリターンTDを奪い、関学に付け入る隙を与えない。
 しかし2Qにはいると、関学が攻守ラインの動きを改善したことにより、法政はライン戦で劣勢になり始める。
 オフェンスでは菅原にプレッシャーがかかり始め、ディフェンスでは関学QB三原が落ち着いてパスを通し、法政が菅原のTDラン、菅原から戸倉のTDパスで追加点を上げれば、すかさず関学も負けじとばかりに、スペシャルプレーや三原のTDランで得点を重ね、どこまでも追いすがる。

 前半を35−14で折り返した法政だが、点差ほど力の差はなく、後半も苦しい戦いが予想された。
 そして関学のレシーブで迎えた3Q。前半とはうって変わって激しい雨の降る甲子園。天候の変化同様、試合の流れも確実に関学へ傾き始めた。

 関学が最初のシリーズでTDにつなげると、続く法政オフェンスはWRがフリーになる場面はあるものの、激しいパスラッシュと雨の影響で、思うような前進ができない。
 さらに前半機能していた法政ディフェンスも粘りを見せるが、負傷者などの影響もありライン戦で苦境に立たされる。
 関学のQB三原が繰り出すQBカウンターに手を焼き、ずるずると後退する法政。

 だがここで恵みの雨ならぬ「恵みの雷」が法政を救う。3Q中盤に激しい雷鳴が轟き、安全のために試合は約30分間の中断を余儀なくされる。
 試合が再開され、最初のプレーで関学がFGを失敗したように、「試合の流れが関学に傾きかけていただけに、あの中断は助かった」と、青木監督は本音を語った。

 そしてすべての命運が決まる4Q。
 パントリターンで関学WR榊原のファンブルしたボールを押さえ、攻撃権を得た法政はこの試合絶好調のWR栗原が関学DBのマークを振り切り、エンドゾーン内でボールをキャッチ。待望の追加点を奪う。
 続く関学オフェンスシリーズでは、三原のスクランブルでTDランを決められるが、法政オフェンスもラン中心の攻撃で、着実に前進を果たす。

 勝敗の明暗を分けたのはこのシリーズでのプレー選択。エンドゾーン目前まで攻め込んだ法政。3rdダウンでフレッシュできず、一度は4thダウンギャンブルを試みるが、サイドラインがタイムアウトをとり、サイドプレーの確認をする。
 結果的にはここでFGを選択。今季スコアリングキックを担当しているRB渓本がこれを冷静に決め、スコアを45−35まで広げる。

 これで勝負あったかと思われたが、ここからも関学が底力を見せ、RB古谷のランでTDを奪う。さらにTFPではスペシャルプレーで2点コンバージョンを成功、法政は45−43と追撃される。

猛烈なタックルで関学オフェンスを抑え、甲子園ボウル2連覇を果たした主将4年生DT#90伊倉
撮影:スポーツ法政

 しかし法政は逆転を狙う関学のオンサイドキックをTE東ががっちりとキャッチし、攻撃権を譲らない。
 そしてランプレーで着実に時間を消費する。菅原のランでダウン更新し、戸倉が左オープンを走ってさらに更新した時点で、残り時間は1分を切る。
 関学はタイムアウトで時計を止めるが、法政はニーダウンし、イート。時計の残り時間が10秒を切ると、内野特設スタンドからはカウントダウンが始まる。

 そして時計の針が0を指し、試合終了を告げる審判のホイッスルが鳴った瞬間、70年を超える法政大学トマホークスの歴史に「甲子園ボウル連覇」という新たな1ページが刻まれた。
 「自分たちの取り組みが間違っていないことを証明したかった」というQB菅原の言葉どおり、トマホークスにとって甲子園ボウルとは自分たちの誇りと信念をかけた戦いである。
 甲子園連覇という新たな領域に足を踏み入れた法政。このチームがどこまで進んでゆくかはわからない。しかし「学生主体」という伝統に誇りと信念を持ち取り組んでゆく姿勢は、これからも変わることなく受け継がれてゆくだろう。

早坂茂/スポーツ法政OB

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