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第62回毎日甲子園ボウル
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試合の見所(歴史編) 試合の見所(戦力編)

2007.12.13

<試合の見どころ>戦力編

第44回毎日甲子園ボウル (C)Takeshi Yamaoka

 1989年12月17日、阪神甲子園球場。あまりの観衆の多さに、甲子園球場を大会では初めて内野から外野方向へ「縦」に切って、4万人を集めた第44回甲子園ボウル。日大と関学が2年連続の顔合わせ。
 関学はDL池之上を軸とする守備が踏ん張り、QB埜下が果敢な突撃を試み、途中までなんとか食い下がるものの、第4Qに日大QB宇田川のショットガンが炸裂。
 瞬く間に連続して3本のTDを奪って関学を突き放し、日大が2年連続19回目の優勝を果たした。

#10 QB 木村 幸二朗 4年 178cm 67kg 足立学園 (C)土田麻子

 あれから18年。まさにチーム名どおりの「不死鳥」として甦った日大が、甲子園ボウルの舞台に登場した。
 日大オフェンスの司令塔、エースQB木村が繰り出すショットガンオフェンスは、強い大型ラインが支える相手をコントロールできるランプレーが攻撃の要だ。特に関東学生リーグMVPのエースRB金(こん)は、「立命の松森をさらに強くしたようなイメージ、自由に走らせると止まらない」(関学・副将LB佐藤)と、関学ディフェンス陣は警戒する。
 この金らRB陣が、QBの真後ろにセットするショットガン隊形「ピストル」から繰り出されるランアタックは、セットバックよりも攻撃のテンポが速いオプションも変幻自在。「左右どちらにでも同じように展開できる」(日大・須永コーチ)、関学にとっては厄介な攻撃パターンだ。
 さらに能力の高いレシーバ陣が、フリールートを状況に応じて走る日大伝統のパスパターンも復活。「パスコースは、ほとんど同じプレーがない」(鳥内監督)という守備泣かせのオフェンスだ。
 日大の須永オフェンスコーチは「関学ディフェンスは関東にない強いヒット、全員がきちっと止めるタックルをしてくるチーム。変にかわすプレーはせずに、より強いヒットで返していきたい」と、真っ向勝負を挑む構えだ。

#85 WR 秋山 武史 4年 185cm 81kg 追手門 (C)Takeshi Yamaoka

 今季の関学オフェンスは、経験値を残したままチームのバージョンアップに成功し、シーズン当初から「関学強し」の下馬評通りのチーム力を見せつけてきた。
 “練習の虫”QB三原の率いるオフェンスは、WR秋山、榊原をはじめ、タレント揃いのWR陣とキレの良いプレーを構築。「近年でも最高の仕上がり」と、ライバル京都大の水野監督を唸らせた完成度の高いオフェンスを展開する。

 「個人的にはOLとDLの勝負が鍵と思っている」と、関学の主将OL岡田はきっぱり。
 現時点での学生界最強DLは、間違いなく日大だ。DL鈴木、一木、小宮ら、180センチ、100キロ超えの大型選手がずらりと揃ったDLは、サイズ、クイックネスとも申し分なく、特に「縦へのパワーは立命以上」(OL岡田)という。この最強DLをどう押さえるかが、関学オフェンス陣にとって最大ポイントとなる。
 日大の秋山(徹)ディフェンスコーチも、「関学の正確なOLのブロックをどこまで崩せるかが勝負」と、やはりライン戦をポイントと考えている。

 試合は、互いのオフェンスが普段どおりに機能すれば激しい点の取り合いになる。今季は「先行逃げ切り」で勝負を決めてきた関学がまずリードを奪い、クラッシュボウルで見せたような粘りを持つ日大が、激しく猛追するというゲーム展開が見えてくる。
 関学は、出来るだけオフェンスでボールコントロールして、4Qまでディフェンス陣の体力を温存させたい。特に終盤、日大パスアタックの連続攻勢に、関学DB陣がどこまで対応できるかにかかっている。
 日大にとって最大の敵は「環境」だ。クラッシュボウル前半は「DB陣が浮き足立っていた」(日大・秋山コーチ)ように、大きな舞台にあまり慣れていないだけに、立ち上がりから、関学は優位にゲームを進めることが出来る。

 「伝統というのは教えることが出来ない。選手達に日々の取り組みの中で自然に掴んで貰うしかない」と日大の内田監督。
 両チームにとって「負けるわけにはいかない」伝統の一戦。18年ぶりの対決に、冬の長居スタジアムが熱く燃える。


記事:畠中隆好


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