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関学大に勝利し、歓喜に沸く立命大選手(Makoto SATO) |
11月27日、西京極陸上競技場。10年ぶりの関西学生リーグ最終戦全勝対決となった立命大と関学大のゲーム。主要なポジションのアスリートを卒業で失い、対決直前まで関学大絶対有利と言われた中、17−15で立命大が勝利を収め、リーグ4連覇を果たし、甲子園ボウル出場を決めた。
春のシーズン、立命大は苦しい戦いを強いられた。OLとDB以外のポジションは経験不足の選手ばかり。しかもレギュラー定着を期待していた選手も怪我で満足に練習すらこなせない。そこで春のシーズンを終えて古橋ヘッドコーチは違う視点からチームの改造に乗り出した。
「自分の気持ちを自分でコントロールできるように」と「心」を作るトレーニングに取り組んだのだ。これまでも何度となく取り入れることを検討したが、チームの調子も良くタイミングが無かった。ところが、今シーズンはここ数年で一番の谷間の年。取り入れるには絶好の機会だった。
一つは関西福祉大学でスポーツ心理学を専門とする東山明子助教授の「集中力」や「力の出し方」のカウンセリングを毎週開講した。さらに元松虫中学の原田隆史教諭が実践していた「目標達成シート」を取り入れ、目標設定や結果報告など、選手全員が毎日、自らシートに書き続けた。
また6月から毎夜10時頃、選手の携帯メールに古橋ヘッドコーチや4回生が順番にメッセージメールを送信。名言や格言、そして練習の反省などチーム全体で気持ちを一つにする工夫を行い続けた。
「その効果が着実にでている」と古橋ヘッドコーチ。関大戦での苦戦も自滅には至らなかったし、関学大戦では常に冷静にプレーを展開することができたのも、その成果の現れといえよう。 |